結論からお伝えすると、杉並区は区独自の補助制度がある区です。
「エコ住宅促進助成」で太陽光に最大12万円・蓄電池に定額5万円が上乗せされ、東京都の助成と組み合わせると、太陽光5kW+蓄電池12kWhのモデルケースで合計197万円まで狙えます。
杉並区の申請方式は「施工・支払いが完了した後」に申請する事後申請方式。工事前の事前申込が原則の東京都とは、申請のタイミングが真逆です。
さらに杉並区には、予算の申込率を区の公式ページで公開しているという、申請者にとってありがたい特徴もあります(2026年7月21日時点で申込率19.78%)。
「都は工事前・区は工事後」。この順番さえ間違えなければ、杉並区は数字を確認しながら落ち着いて動ける区です。
1. 【結論早見表】杉並区で使える太陽光・蓄電池・V2Hの補助金一覧(2026年7月時点)
まずは全体像です。杉並区にお住まいの方が太陽光・蓄電池・V2Hで使える補助金は、以下の表がすべてです。
| 制度(実施主体) | 金額 | 申請タイミング | 状況 |
|---|---|---|---|
| 東京都:太陽光(既存住宅) | 3.75kW以下は15万円/kW(上限45万円)・3.75kW超は12万円/kW | 工事前に事前申込 | 受付中 |
| 東京都:蓄電池 | 10万円/kWh(DR実証不参加時の上限120万円/戸) | 工事前に事前申込 | 受付中 |
| 東京都:V2H | 機器費等の1/2(上限50万円)。EV等所有+太陽光設置で全額(上限100万円) | 工事前に事前申込 | 受付中 |
| 杉並区:太陽光 | 4万円/kW(上限12万円) | 施工・支払完了後 | 受付中(申込率19.78%) |
| 杉並区:蓄電池 | 定額5万円 | 施工・支払完了後 | 受付中(申込率19.78%) |
| 国:DR補助金(蓄電池) | 最大60万円 | ― | 終了(2026年5月) |
| 国:みらいエコ住宅2026 | 蓄電池を含むリフォームが対象 | 登録事業者が申請 | 実施中(断熱改修とセットが条件) |
| 国:CEV補助金 | V2H・EV等(機器・車種による) | 車両・機器の区分による | 実施中 |
金額の主役は東京都です。太陽光5kW+蓄電池12kWhを設置するモデルケースなら、東京都だけで180万円(太陽光60万円+蓄電池120万円)。
ここに杉並区の上乗せ17万円(太陽光12万円+蓄電池5万円)が加わり、合計197万円という水準になります。
一方で、2026年5月まで使えた国のDR補助金(最大60万円)はすでに終了しています。
いまだに「都+国で最大180万円」のように、国のDR補助金を合算した終了前の数字を掲載している記事が残っていますが、2026年7月時点では申請できません。
この記事では、いま実際に申請できる制度だけで数字を組み立てます。
補助金の合計額は「単純な足し算」にならないケースがあります(併用時の減額ルール)。詳しくは本記事の5章で解説します。
2. 杉並区の補助金|「エコ住宅促進助成」の全メニュー
杉並区の補助金の正式名称は「【エコ住宅促進助成】杉並区再生可能エネルギー等の導入助成及び断熱改修等省エネルギー対策助成」です。
名前のとおり、この制度は「再生可能エネルギー等の導入助成」と「断熱改修等省エネルギー対策助成」の2本立てで、それぞれに年度内の助成限度額が設定されています(再エネ導入は合計25万円まで・断熱改修等は合計30万円まで)。
太陽光・蓄電池は「再エネ導入」側です。個人住宅で使える主なメニューと金額は以下のとおりです。
| 機器区分 | 助成額(1,000円未満切り捨て) | 耐用期間 |
|---|---|---|
| 太陽光発電システム | 1kWあたり4万円(上限12万円) | 17年 |
| 定置用リチウムイオン蓄電池 | 定額5万円 | 6年 |
| エコキュート・ハイブリッド給湯器 | 定額5万円 | 6年 |
| 家庭用燃料電池(エネファーム) | 定額5万円 | 6年 |
| 高日射反射率塗装(屋根・外壁)※既存住宅のみ | 対象経費(税抜)の20%(合わせて上限15万円) | 10年 |
| 窓等断熱改修(ガラス・内窓・外窓・ドア)※既存住宅のみ | 枚数・箇所数に応じた定額制(合わせて上限15万円) | 10年 |
| 断熱材 ※既存住宅のみ | 対象経費(税抜)の20%(上限15万円) | 10年 |
| 断熱フィルム ※既存住宅のみ | 対象経費(税抜)の50%(上限4万円) | ― |
| 雨水タンク | 本体価格(税抜)の50%(上限2万円) | ― |
| 節水シャワーヘッド ※既存住宅のみ | 定額3,000円 | ― |
表を見てわかるとおり、この制度は太陽光・蓄電池だけでなく、窓の断熱改修・屋根の遮熱塗装・エコキュートといった住まいの省エネリフォーム全般をカバーしています。
「杉並区のリフォーム補助金」を探している方にとっても、まず確認すべき制度がこれです。
蓄電池は「単体OK」|太陽光がなくても定額5万円
杉並区の蓄電池助成でむしろ注目したいのは、「太陽光と常時接続していること」のような接続条件が課されていないことです。
区の導入要件は「SII(環境共創イニシアチブ)に補助対象機器として登録されたもので、蓄電容量が3kWh以上であること」のみ。
23区には「太陽光またはエネファームと常時接続されていること」を蓄電池補助の条件にする区もありますが、杉並区にはこの縛りがなく、蓄電池単体の設置でも定額5万円の対象になります。
金額は控えめでも、容量計算が不要で「SII登録機器・3kWh以上」さえ確認すれば満額が読める、シンプルで使いやすい設計です。
申請は「事後・先着・通年受付」|申込率19.78%が公開されている
杉並区の申請方式は、東京都と正反対の「事後申請方式」です。補助対象機器の工事と支払いがすべて完了した後に、必要書類を揃えて申請します(先着順)。
令和7年度からすべての機器が事後申請に統一され、あわせて蓄電池は定額5万円に変更、太陽光と蓄電池を同時設置した場合の加算2万円は廃止されました。古い記事の「同時設置で加算」という情報は現在は使えません。
令和8年度のスケジュールは次のとおりです。
| 項目 | 期間 |
|---|---|
| 対象期間(設置・工事の完了日) | 2026年2月1日~2027年1月31日 |
| 申請受付期間 | 2026年4月10日~2027年2月26日(必着) |
受付期間は期に分かれておらず通年1本。対象期間内に工事が完了していれば、書類が揃い次第いつでも申請できます。
注目したいのは、杉並区が予算と申請状況を区の公式ページで公開している点です。2026年7月21日現在の数字は次のとおりです。
| 令和8年度の予算と申請状況 | 金額 |
|---|---|
| 令和8年度予算 | 2億2,656万円 |
| 申請受付累計 | 4,480万8,000円 |
| 残額 | 1億8,175万2,000円 |
| 申込率 | 19.78% |
年度の3分の1が過ぎた時点で申込率は約2割。現時点では余裕がありますが、事後申請は「工事が終わった人から順に埋まっていく」仕組みなので、秋以降に申請が積み上がるのが通例です。
「あとどれくらい枠が残っているか」を数字で確認してから動ける運用は、残額を公表していない自治体が多い中で、申請者にとって親切な仕組みといえます。
申請前に知っておきたい注意点
- 耐用期間内の再申請はできません。同一世帯で同一種類の機器は、耐用期間(太陽光17年・蓄電池6年)が過ぎるまで1回限りです。たとえば昨年度に窓の断熱化で助成を受けた世帯は、今年度別の部屋の窓を断熱化しても申請できません(窓の耐用期間10年を過ぎていれば再申請可能)。
- 申請者・契約者・支払者が同一人であること。振込口座も申請者本人名義に限られます。契約だけ家族名義、といったズレは審査で止まります。
- 中古品・リース機器は対象外です(未使用品のみ)。
- 助成対象経費は機器本体・関連部材+最小限の工事費(税抜)。申請代行費・保証費・諸経費・エネルギーマネジメント機器費・IoT関連機器費は対象外です。
- 国・都など他の助成金との併用は可能ですが、合計が対象経費を超える場合は区の助成が減額されます(5章で解説)。
- 施工者や販売店による手続代行が可能です。申請書兼請求書に代行者を定める記載をして進めます。
戸建て以外も対象|賃貸オーナー・マンション管理組合・事業者まで
対象者の幅が広いのも杉並区の特徴です。自宅に設置する区民のほか、区内に所有する建物に設置した「導入先に居住しない区民」(賃貸オーナーなど)、代表者が区内在住の区内中小企業者、分譲マンション共用部に導入する管理組合・管理者、医療法人・社会福祉法人・学校法人、町会・自治会・商店街組合等まで申請できます。
逆に、賃貸物件にお住まいの借主の方は原則対象外です。設置した建物の所有者(大家さん)が要件を満たせば申請できるため、賃貸の方はまず所有者への相談が出発点になります。
参考:杉並区「【エコ住宅促進助成】手続き案内(令和8年度)」/同「太陽光発電システム・定置用リチウムイオン蓄電池等」
3. 東京都の補助金が本命|太陽光・蓄電池・V2Hの金額と要件
金額のインパクトが最も大きいのは東京都の助成です。杉並区民も当然対象で、太陽光・蓄電池・V2Hの3つとも、クール・ネット東京(東京都地球温暖化防止活動推進センター)が申請窓口になります。
太陽光発電(既存住宅)|3kW~3.75kWは「単価の棚」で横ばい
| 住宅・出力 | 助成額 |
|---|---|
| 既存住宅・3.75kW以下 | 15万円/kW(上限45万円) |
| 既存住宅・3.75kW超(50kW未満) | 12万円/kW(助成対象経費が上限) |
| 新築住宅・3.6kW以下 | 12万円/kW(上限36万円) |
| 新築住宅・3.6kW超 | 10万円/kW |
本記事のモデルケースは、リフォーム需要の中心である既存住宅の単価で計算します。
知っておきたいのが、既存住宅の「単価の棚」です。3.75kW以下の区分は3kW(15万円×3=45万円)で上限に到達するため、3kW~3.75kWの間はパネルを増やしても助成額は45万円のまま横ばいになります。
3.75kWを超えると単価12万円/kWで上限が外れ、4kWなら48万円、5kWなら60万円と再び伸びていきます。
杉並区の上乗せ(4万円/kW)も3kWで上限12万円に到達するため、都+区の合計は3kW=57万円→3.75kWまで横ばい→4kW=60万円→5kW=72万円という形になります。
屋根に余裕があるなら4kW以上を検討する価値があります。「3.2kWと4.1kW、どちらのプランが組めるか」を業者に聞いてみてください。
また、陸屋根(屋上が平らな住宅)の場合は、架台設置経費10万円/kW・防水工事経費18万円/kWの上乗せがあります(既存戸建の場合。いずれも実費が上限)。屋上のある住宅なら確認しておきたい上乗せです。
蓄電池|10万円/kWh・上限120万円の全国最高水準
東京都の蓄電池助成(家庭における蓄電池導入促進事業)は、1kWhあたり10万円・DR実証に参加しない場合の上限120万円/戸という、全国の自治体でも最高水準の金額です。
さらにDR実証(電力需給に応じて蓄電池を遠隔制御する実証事業)に参加すると、10万円の加算があります(エネマネ・IoT機器を設置する場合は15万円)。
主な要件は次のとおりです。
- 太陽光発電が設置済み・同時設置、または再生可能エネルギー電力メニューを契約していること
- 機器はSII(環境共創イニシアチブ)の登録機器であること。2026年10月1日以降の事前申込からは、SIIが令和8年度に登録した機器のみ対象になります(2026年4月1日~6月30日に契約・設置完了した分を除く)
- 工事前(原則として契約前)にクール・ネット東京へ事前申込を行うこと
すでに蓄電池がある家向けには、蓄電池ユニットの増設に6万円/kWh(DR実証不参加時の上限72万円/戸)という区分もあります。「容量を増やしたい」ニーズにも都の助成が使えます。
V2H|EVと太陽光があれば「全額助成」の可能性も
杉並区のエコ住宅促進助成にはV2Hのメニューがありませんが、東京都の「戸建住宅におけるV2H普及促進事業」でカバーできます。
基本は機器費等の1/2(上限50万円)ですが、電気自動車等を所有し、太陽光発電を設置している場合は全額助成(上限100万円)に跳ね上がります。
「EV+太陽光+V2H」が揃うと助成率が1/2から10/10になるこの仕組みは、太陽光を載せる第3の理由にもなります。
ただし注意点が2つあります。
- 二世帯住宅・共同住宅は対象外です。登記簿に専有部分の家屋番号が複数ある建物は「共同住宅」扱いになります。
- 国のCEV補助金をV2Hで受ける場合、その額は都の助成額から控除されます(「併用可」ですが単純な足し算にはなりません)。
なお杉並区には「杉並区電気自動車用充電設備導入助成」という別制度があり、V2Hを含む充電設備の導入を支援しています(受付は2026年4月10日~2027年2月26日必着・予算到達で終了)。助成額は機器区分により異なるため、金額面の本命はあくまで東京都と考えつつ、EV関連の計画がある方は区公式で確認しておくとよいでしょう。
参考:クール・ネット東京「家庭における太陽光発電導入促進事業(令和8年度)」/同「家庭における蓄電池導入促進事業(令和8年度)」/同「戸建住宅におけるV2H普及促進事業(令和8年度)」/杉並区「電気自動車用充電設備導入助成(令和8年度)」
4. 国の補助金と東京ゼロエミポイント|DR終了後のいま使える制度
国のDR補助金(最大60万円)は2026年5月に終了
家庭用蓄電池の代表的な国補助だったDR補助金(家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業)は、2026年5月末に予算上限へ到達し、公募を終了しました。
実施主体のSIIは公募再開の予定はないと公表しています。
もともと令和7年度補正予算で「2026年3月24日~12月10日」の公募予定でしたが、予算の消化が早く、途中終了となった経緯があります。
このため「12月10日まで申請できる」「都+国で最大180万円」といった終了前の情報を掲載したままの記事がいまも多数残っています。2026年7月時点で、国のDR補助金は申請できません。
みらいエコ住宅2026|蓄電池単体では使えない
国の制度で蓄電池が対象になるのは、住宅省エネ2026キャンペーンの「みらいエコ住宅2026事業」です。
ただし条件があり、窓や壁など躯体の断熱改修を含むリフォームであることが要件のため、蓄電池単体の設置では使えません。
原則として2016年12月31日以前に新築された住宅が対象で、申請は登録事業者経由でのみ行えます。断熱リフォームと一緒に蓄電池を入れる計画がある方だけ、選択肢に入れてください。
CEV補助金|V2H・EVは継続中
V2H充放電設備と電気自動車等を対象とするCEV補助金は継続しています。
ただし前述のとおり、V2HでCEV補助金を受けると東京都のV2H助成から控除されるため、どちらをどう使うかは見積もり段階で業者に試算してもらうのが確実です。
エアコン・冷蔵庫の買い替えは「東京ゼロエミポイント」で
「杉並区でエアコンの補助金はある?」という質問をよくいただきますが、杉並区のエコ住宅促進助成に家庭用エアコンのメニューはありません(給湯器のエコキュート・ハイブリッド給湯器は定額5万円の対象です)。
エアコン・冷蔵庫・給湯器・LED照明といった家電の省エネ化は、東京都の「東京ゼロエミポイント」が受け皿です。
省エネ性能の高い対象製品の購入で商品券などに交換できるポイントが付与される制度で、杉並区民ももちろん対象。対象製品・付与条件の詳細は公式サイトで確認できます。
太陽光・蓄電池は「区+都の補助金」、家電は「東京ゼロエミポイント」と覚えておくと、住まいの省エネ投資を漏れなく拾えます。
参考:SII「家庭用蓄電池等の導入支援(DR補助金)」/住宅省エネ2026キャンペーン/次世代自動車振興センター(CEV補助金)/東京ゼロエミポイント公式サイト
5. 併用ルールの実際|「単純な足し算」にならないケースがある
東京都と杉並区の補助金は併用できます。
ただし、両者には「もらいすぎ」を防ぐ減額ルールがあり、設置費用が安い案件ほど、合計額が単純な足し算からズレる可能性があります。仕組みを知っておきましょう。
東京都の助成額は「2つの小さいほう」で決まる
東京都の蓄電池助成額は、次の①と②を比較して小さいほうが採用されます。
| 比較項目 | 計算方法 |
|---|---|
| ①助成対象経費 | 機器費+工事費など(税抜)から、国および他の地方公共団体からの補助金を差し引いた額 |
| ②助成額の計算値 | 蓄電容量×10万円+DR加算 |
ポイントは①の「他の地方公共団体」に杉並区の補助金も含まれることです。
区の補助を受けると、都の計算上の対象経費がその分目減りします。とはいえ、杉並区の上乗せは太陽光12万円・蓄電池5万円と小さめのため、一般的な設置価格(蓄電池12kWhで200万円台など)であれば②が採用され、実際の影響はほぼ出ません。
影響が出るのは、極端に安い価格で設置できたケースです。
たとえば5kWhの小型蓄電池を税抜48万円で設置できた場合。①対象経費は48万円から区の補助5万円を引いた43万円、②計算値は5kWh×10万円=50万円。
小さいほうの①が採用され、都の助成は43万円になります。単純計算より7万円目減りする、というイメージです。
杉並区側にも減額ルールがある
杉並区側にも「国・都およびその他の機関等の助成金と併用できるが、助成金額の合計が助成対象経費を超えないこと。超える場合は区の助成が減額される」というルールがあります。
また、区への申請時に国・都・その他の機関等の助成金を申請する方は、交付予定額が確認できる書類(交付決定通知の写しなど)の添付が必要です。
併用が禁止されている助成金も一部にはあるため、区以外の助成を使う場合は併用先にも確認しておくと安心です。
実務上の流れは「都の手続きが先・区の申請が後」。都の交付決定の書類が、そのまま区への提出書類の一部になります。
国や都への申請手続きには時間がかかる場合があるため、区の締切(2027年2月26日必着)ギリギリの工事計画は避けるのが賢明です。
6. 申請の順番|「都は工事前・区は工事後」を間違えない
杉並区で補助金を最大限使うための手順は、次の4ステップに整理できます。
- 東京都へ事前申込(工事前・原則契約前):太陽光・蓄電池・V2Hそれぞれ、クール・ネット東京へ事前申込を行います。2026年4月1日~6月30日に契約した工事には、事前申込前の契約でも対象になる特例があります。
- 工事・支払いを完了:杉並区の対象期間(2026年2月1日~2027年1月31日)内に、設置・工事を完了させます。
- 東京都へ交付申請兼実績報告:工事完了後に提出します。令和8年度に事前申込した分からは、実績報告時に金融機関発行の証明書等の提出が必須になりました。
- 杉並区へ交付申請(工事・支払完了後):必要書類を手引き記載の順番どおりに揃え、環境課温暖化対策係(区役所西棟7階)へ窓口持参または郵送で申請します(2027年2月26日必着)。
それぞれの期限を一覧にまとめます。
| 手続き | 期限・期間 |
|---|---|
| 都・事前申込(太陽光/蓄電池/V2H) | 受付中(有効期限は受付日から1年) |
| 都・太陽光の交付申請兼実績報告 | 2029年3月30日まで |
| 区・対象期間 | 2026年2月1日~2027年1月31日に設置・工事が完了した分 |
| 区・申請受付 | 2026年4月10日~2027年2月26日(必着・先着・予算到達で終了) |
窓口・書類まわりの実務メモ
杉並区の事後申請は「書類がすべて」です。手引きから、つまずきやすいポイントをまとめておきます。
- 不備・不足がある申請は受付されません。しかも郵送申請では不備書類は返送されず、再提出が必要です。先着順の制度なので、不備はそのまま順番の後退を意味します。
- 郵送は2027年2月26日必着。レターパック・特定記録・簡易書留など記録の残る方法で送り、封筒に「エコ住宅促進助成申請書類在中」と記載します。提出書類は返却されないため、必ず控えを手元に。
- 修正液・消せるボールペン・鉛筆は使用不可(訂正は二重線)。書類はすべてA4サイズで提出します。
- 領収書の宛名は申請者本人のフルネームで、対象経費の全額を支払ったことが分かるものが必要です。本人確認書類は現住所が印字されたもの(社会保険証やパスポートなど住所が手書きのものは不可)。
- 賃貸オーナーや法人が申請する場合の登記の現在事項証明書は法務局が発行したものに限られます(登記情報提供サービスで取得したものは不可)。
- 太陽光は設置後の全パネルのカラー写真(撮影日記載)やパワーコンディショナーの写真、電力会社との需給契約が分かる書類が必要です。足場解体前の撮影など、施工業者との事前打ち合わせを忘れずに。
- 申請受付から振込までは2~3か月程度かかります。
7. 業者に聞くべき3項目|杉並区で失敗しない業者選び
ここまで見てきたとおり、杉並区の補助金活用は「順番」と「機器の登録」と「書類」で決まります。
つまり業者選びの段階で、次の3項目を確認できるかどうかが分かれ目です。
| 業者に聞くこと | なぜ重要か |
|---|---|
| ①「東京都の事前申込を出してから契約・着工する段取りにできますか?」 | 都の助成は工事前(原則契約前)の事前申込が必須。順番を外すと最大180万円分(太陽光+蓄電池)を受け取れなくなります |
| ②「提案機器は認証・登録の要件を満たしていますか?」 | 杉並区の要件は、太陽光がJETまたはIECEE-PV-FCS加盟機関のモジュール認証、蓄電池がSII登録+3kWh以上。都の蓄電池助成も2026年10月1日以降の事前申込はSII令和8年度登録機器のみ対象です |
| ③「区の事後申請の書類づくりと写真撮影まで対応してもらえますか?」 | 区は事後・先着で、不備書類は受付されず返送もされません。パネル写真は足場解体前の撮影が必要。施工者・販売店による手続代行が可能なので、どこまで任せられるかを最初に確認します |
この3つに具体的に答えられる業者は、東京都と杉並区の制度を日常的に扱っている業者です。逆に回答があいまいな場合は、補助金の実務経験が少ない可能性があります。
なお、杉並区の公式案内にも「執拗に契約を急がせる業者には注意し、また紹介された業者だけでなく複数の販売店から見積りをとるようにしてください」と明記されています。
区が相見積もりを推奨している以上、比較する作業は自分で組み立てる必要があります。
マイリフォでは、対応エリアや設備の種類から業者を絞り込める検索フォームを用意しています。杉並区対応の業者を探す入口としてご活用ください。
杉並区に本社を置く業者もチェック
区内に本社を置く業者は、区の事後申請の書類づくりや写真撮影の段取りに土地勘があるのが強みです。
マイリフォの業者データベースには、杉並区・浜田山に本社を置く業者が登録されています。
東京都全域で補助金申請のサポート実績が多い業者から相見積もりを始めたい方は、次の3社が候補になります。
8. モデルケースで試算|杉並区でいくら戻る?
実際の受給イメージを3つのモデルケースで試算します。
いずれも税抜価格・2026年7月時点の制度にもとづく概算で、機器・工事内容・併用時の減額ルールにより変動します。
ケースA:太陽光5kW+蓄電池12kWhを同時設置(設置費380万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 東京都:太陽光(5kW×12万円) | 60万円 |
| 東京都:蓄電池(12kWh×10万円) | 120万円(上限) |
| 杉並区:太陽光(4万円/kW→上限適用) | 12万円 |
| 杉並区:蓄電池(定額) | 5万円 |
| 補助金合計 | 197万円 |
| 実質負担(380万円-197万円) | 183万円 |
設置費用の半分以上が補助金でまかなえる計算です。
DR実証に参加すれば、ここからさらに10万円(エネマネ・IoT機器を設置する場合は15万円)が上乗せされます。
ケースB:太陽光設置済みの家に蓄電池10kWhを追加(設置費200万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 東京都:蓄電池(10kWh×10万円) | 100万円 |
| 杉並区:蓄電池(定額) | 5万円 |
| 補助金合計 | 105万円 |
| 実質負担(200万円-105万円) | 95万円 |
杉並区は蓄電池単体でも定額5万円が出るため、後付けとの相性がよい区です。太陽光がない家でも、再生可能エネルギー電力メニューへの切り替えなどで都の要件を満たせば、都の100万円も狙えます。
ケースC:太陽光4kW+V2Hを導入・EV所有(設置費280万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 東京都:太陽光(4kW×12万円) | 48万円 |
| 杉並区:太陽光(4万円/kW→上限適用) | 12万円 |
| 東京都:V2H(EV所有+太陽光設置で全額・上限適用) | 100万円 |
| 補助金合計 | 160万円 |
| 実質負担(280万円-160万円) | 120万円 |
EVをすでにお持ちなら、V2Hの全額助成(上限100万円)が使える分、費用対効果が一気に高まります。
ただしCEV補助金をV2Hで併用する場合は都の助成から控除される点、二世帯住宅は対象外の点にご注意ください。
補助金の金額は制度で決まっていますが、設置価格は業者によって差が出ます。相見積もりで設置価格そのものを抑えることが、補助金活用と同じくらい実質負担を左右します。
9. 杉並区の補助金に関するよくある質問
10. まとめ|数字を見ながら動ける、杉並区は「透明性」の区
- 杉並区は太陽光最大12万円・蓄電池定額5万円の区独自補助がある区(再エネ導入は年度合計25万円まで)
- 東京都と組み合わせると、太陽光5kW+蓄電池12kWhのモデルで合計197万円
- 申請の鉄則は「都は工事前・区は工事後」。都の事前申込を出す前に契約・着工しない
- 区は事後・先着・通年受付。申込率が公開されている(2026年7月21日時点で19.78%)ので、枠の残りを見て動ける
- 蓄電池は単体設置でもOK。国のDR補助金は終了しており、「都+国で最大180万円」等の旧情報に注意
杉並区の補助金は、金額こそ東京都が主役ですが、「事後・先着・書類必着」という区独自のリズムを理解しているかどうかで、受け取れるかどうかが変わります。特に、都の事前申込より先に契約してしまう順番ミスと、不備書類による差し戻しは避けたいところです。
制度の確認と並行して、複数の業者から見積もりを取り、7章の3項目を確認しながら比較を進めてください。補助金と相見積もりの両輪が揃ったとき、実質負担は最も小さくなります。

太陽光発電アドバイザーより
杉並区の「予算と申込率を公式ページで公開する」運用は、23区の中でも指折りの透明性です。数字が見えるぶん、慌てて契約を急ぐ必要がなく、相見積もりに時間をかけられます。蓄電池が単体設置でも対象になる点も、後付けを考える方には追い風です。
一方で、事後申請の区は「書類で受け取り損ねる」のが一番もったいない失敗です。不備書類は返送されず、パネル写真は足場解体前にしか撮れません。
見積もりの席で「都の事前申込はいつ出しますか?」「区の申請書類と写真はどこまでお願いできますか?」の2つを聞くこと。この一言が、最大197万円を守る一番の保険になります。
なお、太陽光・蓄電池は高額な買い物のため、契約前には複数社で相見積もりを取り、提案内容を比較して納得した上で決めることをおすすめします。
編集長 田中

