結論からお伝えすると、豊島区は区独自の補助制度がある区です。
「エコ住宅普及促進費用助成金」で太陽光に最大8万円・蓄電池に最大5万円が上乗せされ、東京都の助成と組み合わせると、太陽光5kW+蓄電池12kWhのモデルケースで合計193万円まで狙えます。金額の主役はあくまで東京都ですが、区の上乗せは手続きさえ知っていれば確実に取れるお金です。
そして豊島区には、23区の中でも特徴的なルールがあります。区への申請が「施工完了後の事後申請」である点です。
工事前の事前申込が必須の東京都とはタイミングが真逆のため、「どちらをいつ申請するか」を混同すると、都の180万円分を受け取り損ねるおそれがあります。
「都は契約前・区は施工後」。この2段構えの順番さえ押さえれば、豊島区の補助金は難しくありません。さらに区の助成は先着順で、昨年度(令和7年度)は12月上旬に予算到達で受付終了した実績があります。動くなら早いほうが有利な区です。
1. 【結論早見表】豊島区で使える太陽光・蓄電池・V2Hの補助金一覧(2026年7月時点)
まずは全体像です。豊島区にお住まいの方が太陽光・蓄電池・V2Hで使える補助金は、以下の表がすべてです。
| 制度(実施主体) | 金額 | 申請タイミング | 状況 |
|---|---|---|---|
| 東京都:太陽光(既存住宅) | 3.75kW以下は15万円/kW(上限45万円)・3.75kW超は12万円/kW | 工事前に事前申込 | 受付中 |
| 東京都:蓄電池 | 10万円/kWh(DR実証不参加時の上限120万円/戸) | 工事前に事前申込 | 受付中 |
| 東京都:V2H | 機器費等の1/2(上限50万円)。EV等所有+太陽光設置で全額(上限100万円) | 工事前に事前申込 | 受付中 |
| 豊島区:太陽光 | 2万円/kW(上限8万円) | 施工完了後に交付申請 | 受付中(先着・予算枠制) |
| 豊島区:蓄電池 | 1万円/kWh(上限5万円) | 施工完了後に交付申請 | 受付中(先着・予算枠制) |
| 国:DR補助金(蓄電池) | 最大60万円 | ― | 終了(2026年5月) |
| 国:みらいエコ住宅2026 | 蓄電池を含むリフォームが対象 | 登録事業者が申請 | 実施中(断熱改修とセットが条件) |
| 国:CEV補助金 | V2H・EV等(機器・車種による) | 車両・機器の区分による | 実施中 |
金額の主役は東京都です。太陽光5kW+蓄電池12kWhを設置するモデルケースなら、東京都だけで180万円(太陽光60万円+蓄電池120万円)。
ここに豊島区の上乗せ13万円(太陽光8万円+蓄電池5万円)が加わり、合計193万円という水準になります。
一方で、2026年5月まで使えた国のDR補助金(最大60万円)はすでに終了しています。
いまだに「国・都・区の3階建てで最大195万円」のように国のDR補助金を合算した記事が残っていますが、2026年7月時点では申請できません。
この記事では、いま実際に申請できる制度だけで数字を組み立てます。
補助金の合計額は「単純な足し算」にならないケースがあります(併用時の減額ルール)。もっとも豊島区は上乗せ額が小さいぶん、この影響がほぼ出ない「計算がシンプルな区」です。詳しくは本記事の5章で解説します。
2. 豊島区の補助金|「エコ住宅普及促進費用助成金」の全メニュー
豊島区の補助金は、「豊島区エコ住宅普及促進費用助成金」の名称で案内されています。
地球温暖化の原因となるCO2の削減に配慮した、住宅用の新エネルギー・省エネルギー機器等を設置した区民などに、区が費用の一部を助成する制度です。
個人住宅向けの太陽光・蓄電池の助成額は以下のとおりです。
| 機器区分 | 助成額 | 主な要件 |
|---|---|---|
| 住宅用太陽光発電システム | 出力1kWあたり2万円(上限8万円) | JET(電気安全環境研究所)またはIECEE-PV-FCS制度加盟機関の認証モジュール・出力1kW以上10kW未満・電力会社と電力受給契約を結ぶこと |
| 蓄電システム | 蓄電容量1kWhあたり1万円(上限5万円) | SII(環境共創イニシアチブ)登録済み製品・太陽光発電システムまたはエネファームと常時接続していること |
蓄電池は「太陽光またはエネファームとの常時接続」が必須
豊島区の蓄電池助成で注意したいのが、太陽光発電システムまたはエネファームと常時接続していることが要件になっている点です。
太陽光もエネファームもない家に蓄電池だけを設置するケースは、区の助成対象になりません。港区のように蓄電池単体OKの区もあるため、区によってルールが分かれるところです。
すでに太陽光が載っている家に蓄電池を後付けする場合は、既設の太陽光と接続すれば要件を満たせます。接続図面(単線結線図等)と、接続先の太陽光の設置がわかる写真の提出が必要です。
太陽光・蓄電池だけじゃない|「エコ住宅」らしい幅広メニュー
この制度の特徴は、対象機器の幅広さです。太陽光・蓄電池のほかに、次のメニューがあります。
| 機器 | 助成額 | 対象 |
|---|---|---|
| エネファーム | 8万円(一律) | 個人住宅 |
| HEMS | 機器本体価格の3分の1(上限2万円) | 個人住宅 |
| 断熱改修窓 | 機器設置費用の4分の1(上限10万円) | 個人住宅(賃貸の居住者も可) |
| 雨水貯水槽 | 1万〜2万円 | 個人住宅 |
| 太陽光発電システム(共用部分) | 出力1kWあたり2万円(上限8万円) | 集合住宅の所有者・管理組合等 |
| LED照明器具(共用部分) | 機器設置費用の5分の1(上限20万円) | 集合住宅の所有者・管理組合等 |
| 断熱改修窓(居住部分) | 機器設置費用の4分の1(上限10万円/戸・3戸まで) | 集合住宅の所有者・管理組合等 |
太陽光や蓄電池と同じ年度に、断熱改修窓やHEMSを組み合わせて申請することもできます(機器の種別ごとに同一年度内・同一世帯内で各1回)。エコリフォームをまとめて考えている方は、対象機器を一度チェックしておくと取りこぼしを防げます。
申請は「施工完了後の事後申請」|先着順・昨年度は12月上旬に受付終了
豊島区の申請方式は「事後申請」です。機器の設置と支払いがすべて完了してから、必要書類一式を揃えて申請します。
令和8年度のスケジュールは次のとおりです。
| 項目 | 期間 |
|---|---|
| 対象となる機器の施工完了日 | 2026年2月1日(日)〜2027年1月31日(日) |
| 申請の受付期間 | 2026年5月25日(月)〜2027年3月1日(月)※必着 |
ここでの「施工完了日」は設置工事が完了した日を指し、系統連系日ではありません。2027年1月31日までに工事が終わらないと、今年度の助成対象から外れる点に注意してください。
そして最大の注意点が、先着順・予算枠制であることです。受付期間内であっても、予算の範囲を超えた時点で受付が停止されます。
実際に昨年度(令和7年度)は、2026年3月までの受付予定が2025年12月5日に予算到達で早期終了しました。今年度も区公式ページで予算の消化状況が公開されており、2026年7月7日時点で交付予定額の割合は23%です。
「まだ8割近く残っている」と読むこともできますが、事後申請の制度では「工事が終わって書類を出す頃には予算が尽きていた」という事態が起こり得ます。昨年12月の早期終了を踏まえると、年内には申請まで済ませる工程で計画するのが安全です。
申請前に知っておきたい注意点
- 契約者=申請者(機器使用者)=領収書あて名=口座名義人が同一であることが必要です。家族名義がバラバラだと受付できません。
- 同一年度内・同一世帯内で、機器の種別ごとに各1回限りです。年度が変われば原則、再度申請できます。
- 中古品・リース機器は対象外です(未使用品のみ)。
- 賃貸住宅や、申請者以外にも所有者がいる住宅の場合は、所有者の同意書が必要です。
- 申請書の記入に鉛筆・修正液・消せるボールペンは使えません。添付写真はカラーで鮮明なものに限ります。
- 手続代行者の制度があり、交付申請の手続きを施工業者等に依頼できます。
- 事前相談のうえ施工・支払いをした場合でも、審査の結果、不交付となる場合があります。
マンションの管理組合・オーナー向け|共用部の太陽光やLEDも対象
人口密度が全国トップクラスで、住宅の多くを集合住宅が占める豊島区らしいポイントとして、この制度は集合住宅の所有者・管理組合等も申請主体になれる設計です。
共用部分への太陽光発電システム(出力1kWあたり2万円・上限8万円)やLED照明器具(機器設置費用の5分の1・上限20万円)、居住部分の断熱改修窓(1戸あたり上限10万円・3戸まで)が対象メニューです。理事会・管理組合で検討する際は、区の環境政策課に事前相談しておくと確実です。
3. 東京都の補助金が本命|太陽光・蓄電池・V2Hの金額と要件
金額のインパクトが最も大きいのは東京都の助成です。豊島区民も当然対象で、太陽光・蓄電池・V2Hの3つとも、クール・ネット東京(東京都地球温暖化防止活動推進センター)が申請窓口になります。
太陽光発電(既存住宅)|「3.75kW」で単価が切り替わる
| 住宅・出力 | 助成額 |
|---|---|
| 既存住宅・3.75kW以下 | 15万円/kW(上限45万円) |
| 既存住宅・3.75kW超(50kW未満) | 12万円/kW(助成対象経費が上限) |
| 新築住宅・3.6kW以下 | 12万円/kW(上限36万円) |
| 新築住宅・3.6kW超 | 10万円/kW |
本記事のモデルケースは、リフォーム需要の中心である既存住宅の単価で計算します。
ここで知っておきたいのが、既存住宅の単価の切り替わりです。3.75kW以下の区分は3kW(15万円×3=45万円)で上限に到達し、3.75kWまで載せても助成額は45万円のまま増えません。
3.75kWを超えると単価12万円/kWで上限が外れ、4kWなら48万円、5kWなら60万円と再び伸びていきます。
豊島区の上乗せ(2万円/kW)は4kWで上限8万円に到達します。都と区を合計すると、3kWで51万円・4kWで56万円・5kWで68万円。屋根に余裕があるなら「3.2kWと4.1kW、どちらのプランが組めるか」を業者に聞いてみてください。
また、陸屋根(屋上が平らな住宅)の場合は、架台設置経費10万円/kW・防水工事経費18万円/kWの上乗せがあります(既存戸建の場合。いずれも実費が上限)。
3階建ての狭小住宅や屋上つきの住宅が多い豊島区では、意外と該当するケースがある上乗せです。
蓄電池|10万円/kWh・上限120万円の全国最高水準
東京都の蓄電池助成(家庭における蓄電池導入促進事業)は、1kWhあたり10万円・DR実証に参加しない場合の上限120万円/戸という、全国の自治体でも最高水準の金額です。
さらにDR実証(電力需給に応じて蓄電池を遠隔制御する実証事業)に参加すると、10万円の加算があります(エネマネ・IoT機器を設置する場合は15万円)。
主な要件は次のとおりです。
- 太陽光発電が設置済み・同時設置、または再生可能エネルギー電力メニューを契約していること
- 機器はSII(環境共創イニシアチブ)の登録機器であること。2026年10月1日以降の事前申込からは、SIIが令和8年度に登録した機器のみ対象になります(2026年4月1日〜6月30日に契約・設置完了した分を除く)
- 工事前(原則として契約前)にクール・ネット東京へ事前申込を行うこと
すでに蓄電池がある家向けには、蓄電池ユニットの増設に6万円/kWh(DR実証不参加時の上限72万円/戸)という区分もあります。「容量を増やしたい」ニーズにも都の助成が使えます。
V2H|EVと太陽光があれば「全額助成」の可能性も
豊島区にはV2Hの補助メニューがありませんが、東京都の「戸建住宅におけるV2H普及促進事業」でカバーできます。
基本は機器費等の1/2(上限50万円)ですが、電気自動車等を所有し、太陽光発電を設置している場合は全額助成(上限100万円)に跳ね上がります。
「EV+太陽光+V2H」が揃うと助成率が1/2から10/10になるこの仕組みは、太陽光を載せる第3の理由にもなります。
ただし注意点が2つあります。
- 二世帯住宅・共同住宅は対象外です。登記簿に専有部分の家屋番号が複数ある建物は「共同住宅」扱いになります。
- 国のCEV補助金をV2Hで受ける場合、その額は都の助成額から控除されます(「併用可」ですが単純な足し算にはなりません)。
参考:クール・ネット東京「家庭における太陽光発電導入促進事業(令和8年度)」/同「家庭における蓄電池導入促進事業(令和8年度)」/同「戸建住宅におけるV2H普及促進事業(令和8年度)」
4. 国の補助金の現在地|DRは終了・いま使えるのは2つ
国のDR補助金(最大60万円)は2026年5月に終了
家庭用蓄電池の代表的な国補助だったDR補助金(家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業)は、2026年5月末に予算上限へ到達し、公募を終了しました。
実施主体のSIIは公募再開の予定はないと公表しています。
もともと令和7年度補正予算で「2026年3月24日〜12月10日」の公募予定でしたが、予算の消化が早く、途中終了となった経緯があります。
このため「12月10日まで申請できる」「国・都・区の3階建てで最大195万円」といった終了前の情報を掲載したままの記事がいまも多数残っています。2026年7月時点で、国のDR補助金は申請できません。
みらいエコ住宅2026|蓄電池単体では使えない
国の制度で蓄電池が対象になるのは、住宅省エネ2026キャンペーンの「みらいエコ住宅2026事業」です。
ただし条件があり、窓や壁など躯体の断熱改修を含むリフォームであることが要件のため、蓄電池単体の設置では使えません。
原則として2016年12月31日以前に新築された住宅が対象で、申請は登録事業者経由でのみ行えます。
断熱リフォームと一緒に蓄電池を入れる計画がある方だけ、選択肢に入れてください。なお、窓の断熱改修は豊島区の助成メニュー(上限10万円)にもあるため、組み合わせを考える場合は業者に併用の可否を確認しましょう。
CEV補助金|V2H・EVは継続中
V2H充放電設備と電気自動車等を対象とするCEV補助金は継続しています。
ただし前述のとおり、V2HでCEV補助金を受けると東京都のV2H助成から控除されるため、どちらをどう使うかは見積もり段階で業者に試算してもらうのが確実です。
参考:SII「家庭用蓄電池等の導入支援(DR補助金)」/住宅省エネ2026キャンペーン/次世代自動車振興センター(CEV補助金)
5. 併用ルールの実際|豊島区は「計算がシンプル」な区
東京都と豊島区の補助金は併用できます。豊島区の要綱にも、国や東京都が併用を禁止していなければ併用可能と明記されています。
ただし東京都側には「もらいすぎ」を防ぐ減額ルールがあるため、仕組みだけ知っておきましょう。
東京都の助成額は「2つの小さいほう」で決まる
東京都の蓄電池助成額は、次の①と②を比較して小さいほうが採用されます。
| 比較項目 | 計算方法 |
|---|---|
| ①助成対象経費 | 機器費+工事費など(税抜)から、国および他の地方公共団体からの補助金を差し引いた額 |
| ②助成額の計算値 | 蓄電容量×10万円+DR加算 |
ポイントは①の「他の地方公共団体」に豊島区の補助金も含まれることです。区の補助を受けると、都の計算上の対象経費がその分目減りします。
ただし豊島区の上乗せは蓄電池で最大5万円・太陽光で最大8万円と小さいため、この目減りが実際の助成額に響くケースはほとんどありません。
たとえば5kWhの小型蓄電池を税抜48万円で設置できた極端なケースでも、①は48万円から区の5万円を引いた43万円、②は5kWh×10万円=50万円。小さいほうの①が採用されて都の助成は43万円になりますが、区の上乗せが大きい区(港区の同条件では28万円まで下がります)と比べれば、目減り幅はわずかです。
一般的な設置価格(蓄電池12kWhで200万円台など)であれば②が採用され、減額の影響は出ません。
豊島区側には控除規定がない|満額が読みやすい区
港区などには「国・都の助成額を区の対象経費から控除する」という区側のルールがありますが、豊島区の要綱にはこの種の控除規定がありません。区の助成額は「単価×出力(容量)」の単純計算で、上限8万円・5万円まで素直に積み上がります。
唯一の例外的な扱いとして、断熱改修窓など機器設置費用ベースのメニューでは、他の助成金で領収書の金額が減っている場合に交付決定通知書の写しの提出が求められることがあります。太陽光・蓄電池は出力・容量ベースの定額計算のため、この影響も受けません。
「上乗せは小さいが、そのぶん併用計算で目減りする心配がほぼない」。これが豊島区の補助金の性格です。都180万円+区13万円=193万円という数字は、一般的な設置価格ならそのまま満額を計算に入れられます。
6. 申請の順番|「都は契約前・区は施工後」の2段構え
豊島区で補助金を最大限使うための手順は、次の4ステップに整理できます。都と区で申請タイミングが真逆である点が、この区の最大のポイントです。
- 東京都へ事前申込(工事前・原則契約前):太陽光・蓄電池・V2Hそれぞれ、クール・ネット東京へ事前申込を行います。2026年4月1日〜6月30日に契約した工事には、事前申込前の契約でも対象になる特例があります。
- 工事の実施と支払いの完了:豊島区の今年度助成は、2027年1月31日までに施工完了(設置工事の完了)した機器が対象です。工事だけでなく支払いまで済ませます。
- 豊島区へ交付申請(施工・支払い完了後〜2027年3月1日必着):交付申請書・施工完了証明書(施工業者が記載)・領収書の写しと内訳・機器のパンフレット・区指定の口座振替依頼書などを揃え、窓口持参または郵送で申請します。
- 都への交付申請兼実績報告:都へは工事完了後に交付申請兼実績報告を提出します(令和8年度に事前申込した分からは、金融機関発行の証明書等の提出が必須になりました)。
それぞれの期限を一覧にまとめます。
| 手続き | 期限・期間 |
|---|---|
| 都・事前申込(太陽光/蓄電池/V2H) | 受付中(有効期限は受付日から1年) |
| 都・太陽光の交付申請兼実績報告 | 2029年3月30日まで |
| 区・対象となる施工完了日 | 2027年1月31日まで |
| 区・交付申請(施工・支払い完了後) | 2026年5月25日〜2027年3月1日必着(予算到達で早期終了あり) |
審査は2〜3か月|振込までの流れ
区に申請すると、書類確認のうえ受付・審査(必要に応じて職員の現地調査あり)が行われます。審査期間は2〜3か月程度で、申請が集中するとさらに時間がかかる場合があります。
交付決定通知の受領から1か月程度で、指定口座に助成金が振り込まれます。「申請してすぐ入金」ではなく、トータルで3〜4か月かかる想定でいましょう。
窓口・書類まわりの実務メモ
豊島区への申請・問い合わせ先は、区本庁舎6階の環境政策課事業グループ(南池袋2-45-1・電話03-3981-2771)です。実務で役立つ細かいルールをまとめておきます。
- 提出は窓口持参または郵送です。窓口の来庁推奨時間は平日9時〜12時・13時〜16時(土日祝は対応不可)。
- 書類に不備がある場合は申請書類一式が返却されます。郵送での返送を希望する場合、郵送料と返信用封筒は申請者の負担です。
- 先着順の制度のため、不備による差し戻し・再提出はそのまま順番の後退を意味します。
- 太陽光は「電力受給契約の写し」、蓄電池は「銘板の写真」「SII登録が確認できる書類」「太陽光等との接続図面」など、機器ごとに必要書類が細かく指定されています。
- 偽りその他不正な手段で交付を受けた場合は、交付決定の取り消し・助成金の返還を求められることがあります。
事後申請の落とし穴は「設置が終わってから書類を集め始めると、施工完了証明書や領収書の内訳が揃わず期限に間に合わない」ことです。契約の段階で「豊島区の助成金を申請するので、施工完了証明書(区指定様式)と内訳つき領収書をお願いします」と業者に伝えておくと、施工後の申請が一気にスムーズになります。
7. 業者に聞くべき3項目|豊島区で失敗しない業者選び
ここまで見てきたとおり、豊島区の補助金活用は「都と区で真逆の申請タイミング」と「事後申請の書類集め」で決まります。
つまり業者選びの段階で、次の3項目を確認できるかどうかが分かれ目です。
| 業者に聞くこと | なぜ重要か |
|---|---|
| ①「東京都の事前申込を出してから契約する段取りにできますか?」 | 都の助成は工事前(原則契約前)の事前申込が必須。順番を外すと最大180万円分(太陽光+蓄電池)を受け取れなくなります |
| ②「豊島区の施工完了証明書(区指定様式)と内訳つき領収書を用意してもらえますか?」 | 区の事後申請には施工業者が記載する施工完了証明書が必須。手続代行者として申請そのものを業者に依頼することもできます |
| ③「提案機器はSIIの令和8年度登録製品ですか?」 | 都の蓄電池助成は2026年10月1日以降の事前申込からSII令和8年度登録機器のみ対象。豊島区の蓄電池助成もSII登録製品が要件です |
この3つに具体的に答えられる業者は、東京都と豊島区の制度を日常的に扱っている業者です。
逆に回答があいまいな場合は、補助金の実務経験が少ない可能性があります。とくに豊島区は事後申請のため、業者の書類対応力がそのまま「助成金を受け取れるかどうか」に直結します。
マイリフォでは、対応エリアや設備の種類から業者を絞り込める検索フォームを用意しています。豊島区対応の業者を探す入口としてご活用ください。
豊島区に本社・拠点を置く業者もチェック
区内やその近くに拠点を置く業者は、豊島区の事後申請の運用や書類まわりに土地勘があるのが強みです。
マイリフォの業者データベースには、豊島区に本社を置く業者と、池袋に東京拠点を置く業者が登録されています。
東京都全域で補助金申請のサポート実績が多い業者から相見積もりを始めたい方は、次の3社が候補になります。
8. モデルケースで試算|豊島区でいくら戻る?
実際の受給イメージを3つのモデルケースで試算します。
いずれも税抜価格・2026年7月時点の制度にもとづく概算で、機器・工事内容・併用時の減額ルールにより変動します。
ケースA:太陽光5kW+蓄電池12kWhを同時設置(設置費380万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 東京都:太陽光(5kW×12万円) | 60万円 |
| 東京都:蓄電池(12kWh×10万円) | 120万円(上限) |
| 豊島区:太陽光(5kW×2万円→上限適用) | 8万円 |
| 豊島区:蓄電池(12kWh×1万円→上限適用) | 5万円 |
| 補助金合計 | 193万円 |
| 実質負担(380万円-193万円) | 187万円 |
設置費用の半分以上が補助金でまかなえる計算です。
DR実証に参加すれば、ここからさらに10万円(エネマネ・IoT機器を設置する場合は15万円)が上乗せされます。
ケースB:太陽光設置済みの家に蓄電池10kWhを追加(設置費200万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 東京都:蓄電池(10kWh×10万円) | 100万円 |
| 豊島区:蓄電池(10kWh×1万円→上限適用) | 5万円 |
| 補助金合計 | 105万円 |
| 実質負担(200万円-105万円) | 95万円 |
豊島区の蓄電池助成は「太陽光またはエネファームとの常時接続」が要件のため、既設の太陽光と接続するこのケースは区の5万円も使えます。太陽光もエネファームもない家に蓄電池だけを設置する場合、区の助成は対象外になり、都の助成(再生可能エネルギー電力メニューの契約などで要件を満たした場合)のみの活用になります。
ケースC:太陽光4kW+V2Hを導入・EV所有(設置費280万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 東京都:太陽光(4kW×12万円) | 48万円 |
| 豊島区:太陽光(4kW×2万円→上限適用) | 8万円 |
| 東京都:V2H(EV所有+太陽光設置で全額・上限適用) | 100万円 |
| 補助金合計 | 156万円 |
| 実質負担(280万円-156万円) | 124万円 |
EVをすでにお持ちなら、V2Hの全額助成(上限100万円)が使える分、費用対効果が一気に高まります。豊島区の太陽光上乗せは4kWで上限の8万円に届くため、狭小地の小さめの屋根でも区の助成をフルに使えます。
ただしCEV補助金をV2Hで併用する場合は都の助成から控除される点、二世帯住宅は対象外の点にご注意ください。
補助金の金額は制度で決まっていますが、設置価格は業者によって差が出ます。相見積もりで設置価格そのものを抑えることが、補助金活用と同じくらい実質負担を左右します。
9. 豊島区の補助金に関するよくある質問
10. まとめ|「都は契約前・区は施工後」と早めの申請で取りこぼしゼロに
- 豊島区は太陽光最大8万円・蓄電池最大5万円の区独自補助がある「上乗せあり型」の区。エネファームや断熱窓など対象メニューの幅広さも特徴
- 東京都と組み合わせると、太陽光5kW+蓄電池12kWhのモデルで合計193万円
- 区の申請は施工完了後の事後申請。「都は契約前・区は施工後」の2段構えを守る
- 区の蓄電池助成は太陽光またはエネファームとの常時接続が要件(単体設置は対象外)
- 先着順・予算枠制で、昨年度は12月上旬に受付終了。国のDR補助金も終了しており、古い「最大195万円」等の合算情報に注意
豊島区の補助金は、金額こそ東京都が主役ですが、区の上乗せ13万円(太陽光8万円+蓄電池5万円)は手続きさえ知っていれば確実に取れるお金です。併用による減額の心配がほぼない「計算のシンプルさ」も、この区の隠れた長所です。
その分、「都は契約前・区は施工後」という真逆のタイミングと、昨年12月に受付終了した予算の消化スピードを、計画に織り込む必要があります。制度の確認と並行して、複数の業者から見積もりを取り、7章の3項目を確認しながら比較を進めてください。補助金と相見積もりの両輪が揃ったとき、実質負担は最も小さくなります。

太陽光発電アドバイザーより
豊島区の上乗せ額は小さめですが、23区の補助金を見比べてきた立場から言うと、この区の本当の注意点は金額ではなく「事後申請×先着順」の組み合わせです。
工事が終わって書類を揃える頃には予算が尽きていた──昨年度の12月受付終了は、まさにその構造が現実になった例だと受け止めています。
対策はシンプルで、見積もりの席で「都の事前申込と、豊島区の施工完了証明書・申請代行までお任せできますか?」と業者に聞くこと。
この一言が、東京都の180万円と区の13万円、両方を守る一番の保険になります。
なお、太陽光・蓄電池は高額な買い物のため、契約前には複数社で相見積もりを取り、提案内容を比較して納得した上で決めることをおすすめします。
編集長 田中

