結論からお伝えすると、千代田区は区独自の補助制度がある区です。しかも、その仕組みが23区の中でもかなり珍しい形をしています。
多くの区が「太陽光は1kWあたり◯万円」という定額型なのに対し、千代田区の「省エネルギー改修等助成制度」は対象経費の20パーセントを助成する率型。住宅の上限は他のメニューと合算で125万円と、23区でもトップクラスの枠です。
設置費用が大きいほど区の助成額も大きくなるため、東京都の助成と組み合わせると、太陽光5kW+蓄電池12kWhのモデルケースで合計256万円まで狙えます。
さらに千代田区には、東京都と違って蓄電池単体の設置でも申請できるという使いやすさもあります。
一方で注意点もあります。太陽光・蓄電池の区助成は工事着工前の事前申請が必須で、交付決定の通知を受けてから着工するルール。ところがV2Hだけは別制度で、こちらは設置完了後の事後申請。同じ千代田区の補助金なのに、申請の向きが真逆なのです。
「都は契約前・区は着工前・V2Hだけ工事後」。3つの手続きの向きさえ押さえれば、千代田区は経費の2割が上乗せされる、補助金をかなり厚く組める区です。
1. 【結論早見表】千代田区で使える太陽光・蓄電池・V2Hの補助金一覧(2026年7月時点)
まずは全体像です。千代田区にお住まいの方が太陽光・蓄電池・V2Hで使える補助金は、以下の表がすべてです。
| 制度(実施主体) | 金額 | 申請タイミング | 状況 |
|---|---|---|---|
| 東京都:太陽光(既存住宅) | 3.75kW以下は15万円/kW(上限45万円)・3.75kW超は12万円/kW | 工事前に事前申込 | 受付中 |
| 東京都:蓄電池 | 10万円/kWh(DR実証不参加時の上限120万円/戸) | 工事前に事前申込 | 受付中 |
| 東京都:V2H | 機器費等の1/2(上限50万円)。EV等所有+太陽光設置で全額(上限100万円) | 工事前に事前申込 | 受付中 |
| 千代田区:太陽光・蓄電池(省エネルギー改修等助成制度) | 対象経費の20%(住宅は他メニューと合算で上限125万円) | 工事着工前に交付申請 | 受付中 |
| 千代田区:V2H(クリーンエネルギー自動車充電設備等導入費助成制度) | 最大50万円 | 設置完了後に事後申請 | 受付中 |
| 千代田区:EV等の車両購入 | ― | ― | 令和8年度は受付休止 |
| 国:DR補助金(蓄電池) | 最大60万円 | ― | 終了(2026年5月) |
| 国:みらいエコ住宅2026 | 蓄電池を含むリフォームが対象 | 登録事業者が申請 | 実施中(断熱改修とセットが条件) |
| 国:CEV補助金 | V2H・EV等(機器・車種による) | 車両・機器の区分による | 実施中 |
金額の主役は東京都です。太陽光5kW+蓄電池12kWhを設置するモデルケースなら、東京都だけで180万円(太陽光60万円+蓄電池120万円)。
ここに千代田区の「対象経費の20%」が上乗せされます。設置費380万円(税抜)のケースなら区から76万円が加わり、合計256万円という水準になります。
一方で、2026年5月まで使えた国のDR補助金(最大60万円)はすでに終了しています。
いまだに国のDR補助金を合算した古い金額の記事が残っていますが、2026年7月時点では申請できません。EV車両の購入助成(千代田区クリーンエネルギー自動車購入費等助成制度)も、令和8年度は制度見直しのため受付を休止しています。
この記事では、いま実際に申請できる制度だけで数字を組み立てます。
補助金の合計額は「単純な足し算」にならないケースがあります(併用時の減額ルール)。詳しくは本記事の5章で解説します。
2. 千代田区の補助金|「省エネルギー改修等助成制度」は経費の2割・上限125万円
千代田区の太陽光・蓄電池の補助金は、「令和8年度千代田区省エネルギー改修等助成制度」が窓口です。
最大の特徴は、冒頭でも触れた「対象経費の20パーセント」という率型の設計。定額型の区では容量が大きくても上限で頭打ちになりますが、千代田区は設置規模に比例して助成額が伸びていきます。
住宅向けの助成メニュー一覧
| 助成項目(住宅) | 助成内容(税抜き) |
|---|---|
| 太陽光発電システム | 対象経費の20% |
| 蓄電システム | 対象経費の20% |
| 燃料電池システム(エネファーム) | 対象経費の20% |
| 窓断熱対策(二重窓・複層ガラス) | 対象経費の20% |
| LED照明(施工業者が行うもの) | 対象経費の50% |
| 高効率ガス給湯器(潜熱回収型) | 1台あたり3万円 |
| 上限合計額 | 125万円(上記メニューの合算・1,000円未満切り捨て) |
注意したいのは、125万円は「太陽光だけの上限」ではなく、同じ年度に申請するすべてのメニューの合計に対する上限だという点です。
たとえば対象経費150万円の太陽光と200万円の蓄電池を同時に入れる場合、区の助成は30万円+40万円=70万円。125万円の枠に収まるので満額を受け取れます。太陽光・蓄電池と一緒に窓断熱もまとめて改修する、といった組み合わせ方でも、この125万円の枠を共有します。
助成金額は1,000円未満切り捨てで計算されます。
対象者・主な要件
- 区内の既存建物の所有者(区分所有を含む)、または所有者の承諾を得ている方
- 同じ年度に同じ建物で本制度の助成を受けていないこと(申請は同一年度1回のみ)
- 固定資産税や住民税等を滞納していないこと
- 未使用の機器を、施工業者の工事で設置すること(自分で取り付けたものは対象外)
- 建物の改修や取付工事をまだ実施していないこと(着工前の申請が必須)
- 従来の機器と比較してエネルギー使用量が増えない改修であること
- 支払いが一括であること(工事完了までに全額が支払われる場合は割賦も可)
「ちよエコ宣言」が申請の前提になる
千代田区ならではの要件が「ちよエコ宣言」です。区が推進する環境配慮の取り組み宣言で、申請時に宣言を行っていることがわかる書類(登録完了メールの写しなど)の提出が求められます。
宣言自体は無料で、オンラインで登録できます。申請書類を揃える段階であわてないよう、見積もりを取り始めるタイミングで先に済ませておくとスムーズです。
工事前後1年間の「使用量記録」まで義務がある
もうひとつ、他の区ではあまり見かけない義務があります。工事前後1年間の電気・ガス等の使用量を記録し、実績報告書を提出することです。
提出期限は使用量の記録が完了した年度の翌年度3月末まで。つまり千代田区の助成は「もらって終わり」ではなく、省エネ効果の報告までがワンセットです。検針票や電力会社のマイページの記録を残しておきましょう。あわせて、導入した機器は5年間の維持管理義務があります。
マンション共用部・事業所ビルにもメニューがある
住宅が少なくマンションやオフィスビルが中心の千代田区らしく、この制度にはマンション共用部(管理組合等が申請)と事業所ビル(中小企業者)向けのメニューもあります。
マンション共用部は太陽光・蓄電システムが対象経費の20%で、上限は総戸数に応じて100戸以下250万円・101~200戸500万円・201戸以上750万円。管理組合の理事をされている方は、共用部の省エネ改修とあわせて検討する価値があります。
V2Hは別制度・EV車両の購入助成は令和8年度休止
V2H充放電設備は、省エネルギー改修等助成制度ではなく「令和8年度千代田区クリーンエネルギー自動車充電設備等導入費助成制度」という別の制度が受け皿です。
助成額は最大50万円。経済産業省や東京都の助成と合わせて利用できることが区の案内に明記されています。ただし申請のタイミングが太陽光・蓄電池とは真逆で、設置完了後(国・都の補助金額の確定後)の事後申請です。リース購入は対象外という要件もあります。
なお、EV車両そのものへの助成(千代田区クリーンエネルギー自動車購入費等助成制度)は、制度内容の見直しのため令和8年度の申請受付を休止しています。令和9年度以降の実施も未定と発表されているため、「車両は区の補助が出る」という前提で資金計画を立てないよう注意してください。
参考:千代田区「令和8年度千代田区省エネルギー改修等助成制度」/同「令和8年度千代田区クリーンエネルギー自動車充電設備等導入費助成制度」/同「令和8年度千代田区クリーンエネルギー自動車購入費等助成制度」
3. 東京都の補助金が本命|太陽光・蓄電池・V2Hの金額と要件
金額のインパクトが最も大きいのは東京都の助成です。千代田区民も当然対象で、太陽光・蓄電池・V2Hの3つとも、クール・ネット東京(東京都地球温暖化防止活動推進センター)が申請窓口になります。
太陽光発電(既存住宅)|「3.75kWの谷」に注意
| 住宅・出力 | 助成額 |
|---|---|
| 既存住宅・3.75kW以下 | 15万円/kW(上限45万円) |
| 既存住宅・3.75kW超(50kW未満) | 12万円/kW(助成対象経費が上限) |
| 新築住宅・3.6kW以下 | 12万円/kW(上限36万円) |
| 新築住宅・3.6kW超 | 10万円/kW |
本記事のモデルケースは、リフォーム需要の中心である既存住宅の単価で計算します。
ここで知っておきたいのが、既存住宅の「3.75kWの谷」です。
3.75kW以下の区分は3kW(15万円×3=45万円)で上限に到達し、3.75kWまで載せても助成額は45万円のまま増えません。
ところが3.75kWを超えると単価12万円/kWで上限が外れるため、4kWなら48万円、5kWなら60万円と再び伸びていきます。
屋根に余裕があるなら4kW以上を検討する価値があります。「3.2kWと4.1kW、どちらのプランが組めるか」を業者に聞いてみてください。
また、陸屋根(屋上が平らな住宅)の場合は、架台設置経費10万円/kW・防水工事経費18万円/kWの上乗せがあります(既存戸建の場合。いずれも実費が上限)。
屋上が平らな住宅や小規模ビルが多い千代田区では、意外と該当するケースがある上乗せです。
蓄電池|10万円/kWh・上限120万円の全国最高水準
東京都の蓄電池助成(家庭における蓄電池導入促進事業)は、1kWhあたり10万円・DR実証に参加しない場合の上限120万円/戸という、全国の自治体でも最高水準の金額です。
さらにDR実証(電力需給に応じて蓄電池を遠隔制御する実証事業)に参加すると、10万円の加算があります(エネマネ・IoT機器を設置する場合は15万円)。
主な要件は次のとおりです。
- 太陽光発電が設置済み・同時設置、または再生可能エネルギー電力メニューを契約していること
- 機器はSII(環境共創イニシアチブ)の登録機器であること。2026年10月1日以降の事前申込からは、SIIが令和8年度に登録した機器のみ対象になります(2026年4月1日~6月30日に契約・設置完了した分を除く)
- 工事前(原則として契約前)にクール・ネット東京へ事前申込を行うこと
すでに蓄電池がある家向けには、蓄電池ユニットの増設に6万円/kWh(DR実証不参加時の上限72万円/戸)という区分もあります。「容量を増やしたい」ニーズにも都の助成が使えます。
V2H|EVと太陽光があれば「全額助成」の可能性も
千代田区にはV2H専用の区制度(最大50万円・事後申請)がありますが、金額の軸になるのは東京都の「戸建住宅におけるV2H普及促進事業」です。
基本は機器費等の1/2(上限50万円)ですが、電気自動車等を所有し、太陽光発電を設置している場合は全額助成(上限100万円)に跳ね上がります。
「EV+太陽光+V2H」が揃うと助成率が1/2から10/10になるこの仕組みは、太陽光を載せる第3の理由にもなります。
ただし注意点が2つあります。
- 二世帯住宅・共同住宅は対象外です。登記簿に専有部分の家屋番号が複数ある建物は「共同住宅」扱いになります。
- 国のCEV補助金をV2Hで受ける場合、その額は都の助成額から控除されます(「併用可」ですが単純な足し算にはなりません)。
参考:クール・ネット東京「家庭における太陽光発電導入促進事業(令和8年度)」/同「家庭における蓄電池導入促進事業(令和8年度)」/同「戸建住宅におけるV2H普及促進事業(令和8年度)」
4. 国の補助金の現在地|DRは終了・いま使えるのは2つ
国のDR補助金(最大60万円)は2026年5月に終了
家庭用蓄電池の代表的な国補助だったDR補助金(家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業)は、2026年5月末に予算上限へ到達し、公募を終了しました。
実施主体のSIIは公募再開の予定はないと公表しています。
もともと令和7年度補正予算で「2026年3月24日~12月10日」の公募予定でしたが、予算の消化が早く、途中終了となった経緯があります。
このため「12月10日まで申請できる」「国+都+区で最大200万円」といった終了前の情報を掲載したままの記事がいまも多数残っています。2026年7月時点で、国のDR補助金は申請できません。
みらいエコ住宅2026|蓄電池単体では使えない
国の制度で蓄電池が対象になるのは、住宅省エネ2026キャンペーンの「みらいエコ住宅2026事業」です。
ただし条件があり、窓や壁など躯体の断熱改修を含むリフォームであることが要件のため、蓄電池単体の設置では使えません。
原則として2016年12月31日以前に新築された住宅が対象で、申請は登録事業者経由でのみ行えます。
断熱リフォームと一緒に蓄電池を入れる計画がある方だけ、選択肢に入れてください。
CEV補助金|V2H・EVは継続中
V2H充放電設備と電気自動車等を対象とするCEV補助金は継続しています。
ただし前述のとおり、V2HでCEV補助金を受けると東京都のV2H助成から控除されるため、どちらをどう使うかは見積もり段階で業者に試算してもらうのが確実です。
参考:SII「家庭用蓄電池等の導入支援(DR補助金)」/住宅省エネ2026キャンペーン/次世代自動車振興センター(CEV補助金)
5. 併用ルールの実際|「単純な足し算」にならないケースがある
東京都と千代田区の補助金は併用できます。千代田区の公式案内にも「他の助成金と併用することができます」と明記されています。
ただし、「もらいすぎ」を防ぐ調整の仕組みがあり、条件によっては合計額が単純な足し算からズレる可能性があります。仕組みを知っておきましょう。
東京都の助成額は「2つの小さいほう」で決まる
東京都の蓄電池助成額は、次の①と②を比較して小さいほうが採用されます。
| 比較項目 | 計算方法 |
|---|---|
| ①助成対象経費 | 機器費+工事費など(税抜)から、国および他の地方公共団体からの補助金を差し引いた額 |
| ②助成額の計算値 | 蓄電容量×10万円+DR加算 |
ポイントは①の「他の地方公共団体」に千代田区の補助金も含まれることです。
区の補助を受けると、都の計算上の対象経費がその分目減りします。とはいえ一般的な設置価格であれば②が採用され、実際の影響はほぼ出ません。
たとえば12kWhの蓄電池を税抜230万円で設置する場合。区の助成は230万円×20%=46万円で、都の①は230万円-46万円=184万円。②の120万円(12kWh×10万円、上限適用)のほうが小さいので、都からは120万円が満額出ます。
影響が出るのは、極端に安い価格で設置できたケースです。仮に5kWhの小型蓄電池を税抜48万円で設置できた場合、区の助成9.6万円を引いた①は38.4万円。②の50万円(5kWh×10万円)より小さいため、都の助成は38.4万円に目減りします。
千代田区側は「完了報告時の申告」方式
千代田区側の運用はシンプルで、工事完了時に、併用した助成金の交付額がわかる確定通知の写し等を提出する方式です。
補助金の一般則として、各制度の合計額が実際にかかった対象経費を上回る受給はできません。太陽光・蓄電池の一般的な設置価格なら「都+区の合計が経費の7割弱」程度に収まるため通常は問題になりませんが、複数の制度を重ねる場合や窓断熱・給湯器などもまとめて改修する場合は、申請前に区の窓口(環境政策課エネルギー対策係)へ組み合わせを相談しておくのが確実です。
率型ならではの注意|値引きされると区の助成も減る。それでも相見積もりが得
千代田区の助成は経費の20%に比例するため、設置価格が下がると区の助成額も下がるという、定額型の区にはない現象が起きます。
「それなら高い見積もりのままでいいのでは?」と考えるのは早計です。数字で比べてみましょう。
| 項目 | 見積もり250万円 | 見積もり230万円 |
|---|---|---|
| 千代田区の助成(20%) | 50万円 | 46万円 |
| 東京都の助成(12kWh) | 120万円 | 120万円 |
| 実質負担 | 80万円 | 64万円 |
値引き20万円で区の助成は4万円減りますが、差し引きで実質負担は16万円軽くなります。経費の8割は自己負担なので、価格が下がるほうが必ず得です。
実務上の流れは「都の事前申込が先・区の交付申請が後」。そして率型の千代田区でも、相見積もりで設置価格そのものを抑えることが、実質負担を減らすいちばんの近道であることは変わりません。
6. 申請の順番|「都は契約前・区は着工前・V2Hは工事後」の3つの手続き
千代田区で補助金を最大限使うための手順は、次の4ステップに整理できます。
- 東京都へ事前申込(工事前・原則契約前):太陽光・蓄電池・V2Hそれぞれ、クール・ネット東京へ事前申込を行います。2026年4月1日~6月30日に契約した工事には、事前申込前の契約でも対象になる特例があります。
- 千代田区へ交付申請(工事着工前・令和9年2月15日まで):交付申請書のほか、見積書とその内訳書、機器の仕様・型番がわかるパンフレット、ちよエコ宣言の登録がわかる書類、前年度の納税証明書の写しなどを添えて申請します。来庁する場合は必ず事前予約が必要です。
- 千代田区の交付決定通知を受けてから着工:交付決定前に工事を始めると対象外です。「交付決定 → 着工」の順序を守り、工事と支払いを完了させます。
- 完了報告と都への交付申請兼実績報告:区の工事完了報告は令和9年3月15日まで(窓口・郵送)。領収書の写し・納品書等・工事写真などを提出し、併用した助成金があればその確定通知の写し等も添えます。都へは工事完了後に交付申請兼実績報告を提出します(令和8年度に事前申込した分からは、金融機関発行の証明書等の提出が必須になりました)。
そして千代田区ならではの注意が、V2Hだけは向きが逆ということ。V2H(クリーンエネルギー自動車充電設備等導入費助成制度)は、設置完了後に、経済産業省や東京都の補助金額の確定を示す書類を添えて事後申請します。
太陽光・蓄電池の「事前」の感覚のままV2Hを先に申請しようとしたり、逆にV2Hの「事後」の感覚で太陽光の工事を先に始めてしまったりすると、どちらかの助成をもらい損ねます。それぞれの期限を一覧にまとめます。
| 手続き | 期限・期間 |
|---|---|
| 都・事前申込(太陽光/蓄電池/V2H) | 受付中(有効期限は受付日から1年) |
| 都・太陽光の交付申請兼実績報告 | 2029年3月30日まで |
| 区・省エネ改修の交付申請(工事着工前) | 令和9年2月15日まで(先着順・予算到達で早期終了あり) |
| 区・着工のタイミング | 交付決定通知の受領後 |
| 区・工事完了報告 | 令和9年3月15日まで |
| 区・使用量の実績報告 | 工事前後1年間の記録完了年度の翌年度3月末まで |
| 区・V2H(事後申請) | 設置完了後、国・都の助成額確定後に申請 |
窓口・書類まわりの実務メモ
千代田区への申請・問い合わせ先は、環境まちづくり部環境政策課エネルギー対策係(九段南1-2-1・電話03-5211-4256)です。実務で役立つ細かいルールをまとめておきます。
- 来庁は事前予約制です。予約なしで窓口に行っても受け付けてもらえない場合があります。
- 申請が混み合う時期は、交付決定までに1か月以上かかる場合があります。着工希望日から逆算し、余裕を持って申請してください。
- 提出書類に消せるボールペンは使えません。
- 助成金の請求時、振込口座の名義は申請者名義と同一である必要があります。
- 申請後に見積金額や機器の変更が生じた場合は、速やかに区担当へ連絡し変更申請を行います。
- 受付は先着順で、予算がなくなり次第終了します。書類不備による差し戻しは、そのまま順番の後退を意味します。
7. 業者に聞くべき3項目|千代田区で失敗しない業者選び
ここまで見てきたとおり、千代田区の補助金活用は「順番」と「書類」と「工程管理」で決まります。
つまり業者選びの段階で、次の3項目を確認できるかどうかが分かれ目です。
| 業者に聞くこと | なぜ重要か |
|---|---|
| ①「東京都の事前申込を出してから契約する段取りにできますか?」 | 都の助成は工事前(原則契約前)の事前申込が必須。順番を外すと最大180万円分(太陽光+蓄電池)を受け取れなくなります |
| ②「千代田区の交付決定が出るまで着工を待つ工程を組めますか?」 | 区の助成は交付決定前に着工すると対象外。混雑期は交付決定まで1か月以上かかるため、その待ち時間を含めた工程管理が必要です |
| ③「ちよエコ宣言や納税証明書など、区の提出書類の準備までサポートしてもらえますか?」 | 千代田区は書類の種類が多い区です。あわせて、提案機器がSIIの令和8年度登録製品かも確認を。都の蓄電池助成は2026年10月1日以降の事前申込からSII令和8年度登録機器のみ対象です |
この3つに具体的に答えられる業者は、東京都と千代田区の制度を日常的に扱っている業者です。
逆に回答があいまいな場合は、補助金の実務経験が少ない可能性があります。
マイリフォでは、対応エリアや設備の種類から業者を絞り込める検索フォームを用意しています。千代田区対応の業者を探す入口としてご活用ください。
千代田区に本社を置く業者もチェック
区内に本社を置く業者は、千代田区の事前申請や交付決定待ちの運用、ちよエコ宣言などの書類実務に土地勘があるのが強みです。
マイリフォの業者データベースには、千代田区に本社・運営会社を置く4社が登録されています。
- リノベステーション(運営会社:千代田区富士見・マイリフォ独自評価4.5)
- スマートエネテック株式会社(千代田区・参考評価4.6)
- 日本エコエネシステム株式会社(千代田区麹町・参考評価4.2)
- 株式会社サンドリア(千代田区・参考評価4.2)
東京都全域で補助金申請のサポート実績が多い業者から相見積もりを始めたい方は、次の3社が候補になります。
8. モデルケースで試算|千代田区でいくら戻る?
実際の受給イメージを3つのモデルケースで試算します。
いずれも税抜価格・2026年7月時点の制度にもとづく概算で、機器・工事内容・併用時の減額ルールにより変動します。千代田区の助成は「対象経費の20%」なので、実際の見積額によって金額が動く点にご注意ください。
ケースA:太陽光5kW+蓄電池12kWhを同時設置(設置費380万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 東京都:太陽光(5kW×12万円) | 60万円 |
| 東京都:蓄電池(12kWh×10万円) | 120万円(上限) |
| 千代田区:省エネ改修助成(380万円×20%) | 76万円 |
| 補助金合計 | 256万円 |
| 実質負担(380万円-256万円) | 124万円 |
設置費用の6割以上が補助金でまかなえる計算です。区の76万円は上限125万円の枠内に収まるため、満額を受け取れます。
DR実証に参加すれば、ここからさらに10万円(エネマネ・IoT機器を設置する場合は15万円)が上乗せされます。
ケースB:太陽光設置済みの家に蓄電池10kWhを追加(設置費200万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 東京都:蓄電池(10kWh×10万円) | 100万円 |
| 千代田区:省エネ改修助成(200万円×20%) | 40万円 |
| 補助金合計 | 140万円 |
| 実質負担(200万円-140万円) | 60万円 |
同じ条件を「蓄電池は定額◯万円」の区で計算すると、区の上乗せは10万~30万円程度に収まることがほとんどです。経費の20%=40万円が乗る千代田区は、蓄電池の追加設置でも上乗せの厚みが目立ちます。
また、千代田区は蓄電池単体でも区の助成を申請できます。太陽光のない家に蓄電池だけを設置する場合は、都の助成側で「再生可能エネルギー電力メニューの契約」などの要件を満たせるかがポイントになります。
ケースC:太陽光4kW+V2Hを導入・EV所有(設置費238万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 東京都:太陽光(4kW×12万円) | 48万円 |
| 千代田区:省エネ改修助成(太陽光88万円×20%) | 17.6万円 |
| 東京都:V2H(EV所有+太陽光設置で全額・上限適用) | 100万円 |
| 千代田区:V2H助成(残額に対し上限適用) | 50万円 |
| 補助金合計 | 215.6万円 |
| 実質負担(238万円-215.6万円) | 22.4万円 |
EVをすでにお持ちなら、都のV2H全額助成(上限100万円)に区の最大50万円まで重なり、費用対効果が一気に高まります。
ただし千代田区のV2H助成は、国・都の助成額が確定した後の事後申請で、実際の助成額は区の審査で決まります。CEV補助金をV2Hで併用する場合は都の助成から控除される点、都のV2H助成は二世帯住宅・共同住宅が対象外の点にもご注意ください。
補助金の割合は制度で決まっていますが、設置価格は業者によって差が出ます。率型の千代田区でも、相見積もりで設置価格そのものを抑えることが、実質負担を最も左右します(5章の比較表のとおりです)。
9. 千代田区の補助金に関するよくある質問
10. まとめ|経費の2割が乗る率型・「3つの向き」さえ守れば厚い区
- 千代田区は「対象経費の20%・上限125万円(合算)」という率型の区独自補助がある区。設置規模が大きいほど上乗せも大きくなる
- 東京都と組み合わせると、太陽光5kW+蓄電池12kWh(設置費380万円)のモデルで合計256万円
- 都と違って、千代田区は蓄電池単体の設置でも区の助成を申請できる
- 申請の鉄則は「都は契約前・区は着工前・V2Hだけ工事後」。区の申請には ちよエコ宣言と納税証明書などの書類準備が必要
- 国のDR補助金は終了、EV車両の区助成も令和8年度は休止。古い合算情報に注意し、いま使える制度だけで計画する
千代田区の補助金は、金額こそ東京都が主役ですが、「経費の2割」がそのまま乗る区の助成は、モデルケースで76万円と23区でも屈指の存在感があります。蓄電池単体でも使える柔軟さ、マンション共用部や事業所ビルまでカバーする間口の広さも、オフィスと集合住宅が中心の千代田区らしい設計です。
その分、「都は契約前・区は着工前・V2Hは工事後」という3つの手続きの向きと、ちよエコ宣言・使用量記録といった千代田区固有の実務を段取りに組み込む必要があります。制度の確認と並行して、複数の業者から見積もりを取り、7章の3項目を確認しながら比較を進めてください。補助金と相見積もりの両輪が揃ったとき、実質負担は最も小さくなります。

太陽光発電アドバイザーより
23区の補助金を見比べてきた立場から言うと、千代田区の「経費の20%」という率型は、定額型の区がひしめく中でかなり個性的な設計です。蓄電池の追加設置のような中規模の工事でも上乗せが40万円規模になるのは、率型ならではの強みだと感じます。
ただし、千代田区は「交付決定を受けてから着工」の待ち時間に加え、ちよエコ宣言や工事前後1年間の使用量記録といった独自の宿題がある区です。見積もりの席で「都の事前申込と区の交付申請、書類の準備までお任せできますか?」と業者に聞くこと。この一言が、合計256万円と工事スケジュールの両方を守る一番の保険になります。
なお、太陽光・蓄電池は高額な買い物のため、契約前には複数社で相見積もりを取り、提案内容を比較して納得した上で決めることをおすすめします。
編集長 田中

