結論からお伝えすると、足立区は区独自の補助制度がある区です。
「足立区太陽光発電システム及び蓄電池設置費補助金」で太陽光に最大28.8万円・蓄電池に最大6万円が上乗せされ、東京都の助成と組み合わせると、太陽光5kW+蓄電池12kWhのモデルケースで合計214.8万円まで狙えます。
ただし、足立区の補助金には他区にはない大きな特徴があります。
それは「足立区内の業者と契約すると補助額が増える」こと。太陽光は1kWあたり6万円→7.2万円へ、蓄電池は5万円→6万円へと、契約する業者によって受け取れる金額が変わる、全国でも珍しい仕組みです。
「都は工事前・区は工事後」の順番と、「区内業者なら増額」のルール。この2つを知っているかどうかで、足立区では受け取れる金額が変わります。
1. 【結論早見表】足立区で使える太陽光・蓄電池・V2Hの補助金一覧(2026年7月時点)
まずは全体像です。足立区にお住まいの方が太陽光・蓄電池・V2Hで使える補助金は、以下の表がすべてです。
| 制度(実施主体) | 金額 | 申請タイミング | 状況 |
|---|---|---|---|
| 東京都:太陽光(既存住宅) | 3.75kW以下は15万円/kW(上限45万円)・3.75kW超は12万円/kW | 工事前に事前申込 | 受付中 |
| 東京都:蓄電池 | 10万円/kWh(DR実証不参加時の上限120万円/戸) | 工事前に事前申込 | 受付中 |
| 東京都:V2H | 機器費等の1/2(上限50万円)。EV等所有+太陽光設置で全額(上限100万円) | 工事前に事前申込 | 受付中 |
| 足立区:太陽光 | 6万円/kW(上限24万円)。区内業者なら7.2万円/kW(上限28.8万円) | 施工・支払完了後 | 第2期受付中 |
| 足立区:蓄電池 | 5万円。区内業者なら6万円 | 施工・支払完了後 | 第2期受付中 |
| 国:DR補助金(蓄電池) | 最大60万円 | ― | 終了(2026年5月) |
| 国:みらいエコ住宅2026 | 蓄電池を含むリフォームが対象 | 登録事業者が申請 | 実施中(断熱改修とセットが条件) |
| 国:CEV補助金 | V2H・EV等(機器・車種による) | 車両・機器の区分による | 実施中(V2Hは9月30日まで受付) |
金額の主役は東京都です。太陽光5kW+蓄電池12kWhを設置するモデルケースなら、東京都だけで180万円(太陽光60万円+蓄電池120万円)。
ここに足立区の上乗せが加わります。区内業者と契約した場合で34.8万円(太陽光28.8万円+蓄電池6万円)、合計214.8万円という水準になります。区外業者の場合は上乗せ29万円で、合計209万円です。
一方で、2026年5月まで使えた国のDR補助金(最大60万円)はすでに終了しています。
いまだに「国+都+区で最大○○○万円」と国のDR補助金を合算している記事が残っていますが、2026年7月時点では申請できません。
この記事では、いま実際に申請できる制度だけで数字を組み立てます。
補助金の合計額は「単純な足し算」にならないケースがあります(併用時の減額ルール)。詳しくは本記事の5章で解説します。
2. 足立区の補助金|「太陽光発電システム及び蓄電池設置費補助金」は区内業者で増額
足立区の補助金の正式名称は「足立区太陽光発電システム及び蓄電池設置費補助金」です。
令和8年度から、それまで別々だった太陽光と蓄電池の補助金が1つの制度に統合されました。もちろん、太陽光のみ・蓄電池のみの個別申請も可能です。
申請方式は「施工・支払いが完了した後」に申請する後払い方式。工事前の事前申込が原則の東京都とは、申請のタイミングが真逆です。
| 対象機器 | 区外業者と契約 | 区内業者と契約 |
|---|---|---|
| 太陽光発電システム | 6万円/kW・上限24万円 | 7.2万円/kW・上限28.8万円 |
| 蓄電池 | 定額5万円 | 定額6万円 |
太陽光の補助額は「単価×発電設備最大出力(kW・小数点以下2桁未満切捨て)」で計算し、1,000円未満は切り捨てます。たとえば4.0kWを区内業者で設置すれば7.2万円×4=28.8万円で、ちょうど上限に到達します。
蓄電池は容量に関係なく定額です。金額こそ5〜6万円と控えめですが、足立区の蓄電池補助は太陽光との連携が要件になっていないため、蓄電池だけの後付けでも申請できます(東京都の助成には別途要件があります。3章で解説)。
「区内業者」とは?|判定基準は契約書の住所
この制度の心臓部が「区内業者」の定義です。交付要綱では、足立区内に本店・支店・営業所等を有し、その区内の営業所等で機器の販売および工事の契約締結を行う事業者と定められています。
区の案内では、「契約書に記載された事業者住所が足立区内である事業者」を区内事業者として認定すると説明されています。
- 本社が足立区内にある業者との契約は、区内業者の典型例です
- 本社が区外でも、足立区内の支店・営業所で契約を締結すれば区内業者扱いになり得ます(契約書の事業者住所が判定基準)
- 逆に、足立区内に拠点がある会社でも、契約書の住所が区外の本社になっていれば増額の対象外です
見積もりの席で「この契約は足立区の区内事業者の増額対象になりますか?契約書の事業者住所はどこですか?」と確認してください。太陽光+蓄電池なら、この一言で最大5.8万円の差がつきます。
4期制のスケジュール|「各期数日で終了する場合も」
令和8年度の受付は4期制です。2026年7月時点では第2期を受付中です。
| 受付期 | 期間 | 状況 |
|---|---|---|
| 第1期 | 2026年4月13日(月)〜6月30日(火) | 終了 |
| 第2期 | 2026年7月1日(水)〜9月30日(水) | 受付中 |
| 第3期 | 2026年10月1日(木)〜12月28日(月) | ― |
| 第4期 | 2027年1月4日(月)〜2月26日(金) | ― |
注意したいのは、区が「受付期間に関わらず、各期の予算に達し次第終了。各期数日で終了する場合もある」と明記している点です。
受付は先着順で、各期の受付終了日に複数の申請が重なって予算を超える場合のみ、抽選で順位を決める運用です。
一方で明るい材料もあります。令和8年度の予算は3億6,450万円。前年度は太陽光2億2,000万円+蓄電池5,000万円の計2億7,000万円だったため、統合にあわせて予算枠は大きく増えています。
また、足立区は補助制度の受付状況を一覧ページで公開しており、2026年7月27日時点で太陽光・蓄電池は「第2期受付中」。「残りわずか」「受付終了」の表示は出ていません。
申請結果の通知は3〜4か月程度かかります。振込を急ぐ計画は立てず、余裕を持ったスケジュールを組んでください。
申請前に知っておきたい注意点
- 申請期限は「支払完了日から12か月以内」です(ローンの場合はローン契約日から起算)。設置済みの方も、この期間内なら申請できます。
- 太陽光は余剰配線のみが対象で、全量配線(全量売電)は補助対象外です。電力会社との余剰電力の受給契約も要件です。
- 太陽光はJETまたはIECEE-PV-FCS制度の認証を受けた有効期限内のモジュール、蓄電池はSII(環境共創イニシアチブ)登録製品が要件です(令和8年度は令和7年度ZEH支援事業の登録製品も対象)。
- 未使用の新品のみが対象で、リース・中古は対象外。太陽電池モジュールやパワーコンディショナー等の買い替え、蓄電池の2台目以降の増設も対象外です。
- 対象者は個人のほか、集合住宅の所有者・分譲マンションの管理者、中小規模事業者、医療法人・学校法人・NPO法人等、町会・自治会等も含まれます。
- 申請書類は鉛筆・消えるボールペンでは作成できません。書類の提出を業者に依頼した場合、区からの連絡は原則その業者宛てになります。
「そらつな店」|区が公開する区内の太陽光取扱店リスト
足立区には、区内の太陽光発電システム取扱店を区が紹介する「あだち・そらとつながるプロジェクト(そらつな店)」という制度があります。
2026年7月時点で6店舗が掲載されており、いずれも足立区内に所在地を持つ事業者です。区内業者の増額を狙ううえで、候補探しの入り口になります。
足立区のその他メニュー|ZEH上乗せ・EV関連
足立区には、太陽光・蓄電池の設置費補助以外にも関連メニューがあります。
- ZEH・東京ゼロエミ住宅補助金:国のZEH補助または東京都の東京ゼロエミ住宅助成を受けた戸建住宅に、その住宅部分交付額の3分の1(上限30万円)を区が上乗せ。令和8年度は予算が900万円から3,000万円へ大幅増額されました。新築・建て替えを検討中の方向けです。
- 電気自動車等購入費補助金:EV・PHV・燃料電池車の購入に10万円(ミニカー・電動バイクは2万円)。個人は1台まで。
- 戸建住宅向けEV充電設備補助金:充電設備の設置に2万5,000円。ただし太陽光発電を設置している既存住宅は対象外という独自ルールがあります(新築は対象)。
太陽光を設置した家がEV充電設備を導入する場合は、区の補助ではなく東京都の「戸建住宅向け充電設備導入促進事業」が受け皿になります(都と区の充電設備補助は併用不可)。太陽光+EVを計画中の方は覚えておきたい分岐です。
なお、足立区職員を名乗って補助金の説明と称し自宅を訪問する事案が報告されています。区の職員が補助金説明のために自宅を訪問することはありません。訪問販売の勧誘トークに区の名前が出てきたら、いったん断って区へ直接確認してください。
参考:足立区「太陽光発電システム及び蓄電池設置費補助金」/同「補助制度の受付状況一覧」/同「そらつな店(あだち・そらとつながるプロジェクト)」
3. 東京都の補助金が本命|太陽光・蓄電池・V2Hの金額と要件
金額のインパクトが最も大きいのは東京都の助成です。足立区民も当然対象で、太陽光・蓄電池・V2Hの3つとも、クール・ネット東京(東京都地球温暖化防止活動推進センター)が申請窓口になります。
太陽光発電(既存住宅)|「3.75kWの谷」に注意
| 住宅・出力 | 助成額 |
|---|---|
| 既存住宅・3.75kW以下 | 15万円/kW(上限45万円) |
| 既存住宅・3.75kW超(50kW未満) | 12万円/kW(助成対象経費が上限) |
| 新築住宅・3.6kW以下 | 12万円/kW(上限36万円) |
| 新築住宅・3.6kW超 | 10万円/kW |
本記事のモデルケースは、リフォーム需要の中心である既存住宅の単価で計算します。
ここで知っておきたいのが、既存住宅の「3.75kWの谷」です。
3.75kW以下の区分は3kW(15万円×3=45万円)で上限に到達し、3.75kWまで載せても助成額は45万円のまま増えません。
ところが3.75kWを超えると単価12万円/kWで上限が外れるため、4kWなら48万円、5kWなら60万円と再び伸びていきます。
足立区は区の補助も1kWごとに増える単価型(区内業者なら7.2万円/kW)なので、都の「棚」の区間でも合計額は伸び続けます。屋根に余裕があるなら4kW以上を検討する価値があります。
蓄電池|10万円/kWh・上限120万円の全国最高水準
東京都の蓄電池助成(家庭における蓄電池導入促進事業)は、1kWhあたり10万円・DR実証に参加しない場合の上限120万円/戸という、全国の自治体でも最高水準の金額です。
さらにDR実証(電力需給に応じて蓄電池を遠隔制御する実証事業)に参加すると、10万円の加算があります(エネマネ・IoT機器を設置する場合は15万円)。
主な要件は次のとおりです。
- 太陽光発電が設置済み・同時設置、または再生可能エネルギー電力メニューを契約していること
- 機器はSII(環境共創イニシアチブ)の登録機器であること。2026年10月1日以降の事前申込からは、SIIが令和8年度に登録した機器のみ対象になります(2026年4月1日~6月30日に契約・設置完了した分を除く)
- 工事前(原則として契約前)にクール・ネット東京へ事前申込を行うこと
すでに蓄電池がある家向けには、蓄電池ユニットの増設に6万円/kWh(DR実証不参加時の上限72万円/戸)という区分もあります。なお、足立区の補助は蓄電池の2台目以降の増設が対象外のため、増設のケースでは都の助成のみが対象になります。
V2H|EVと太陽光があれば「全額助成」の可能性も
足立区にはV2H(EVと住宅の間で電気をやり取りする充放電設備)の補助メニューがありませんが、東京都の「戸建住宅におけるV2H普及促進事業」でカバーできます。
基本は機器費等の1/2(上限50万円)ですが、電気自動車等を所有し、太陽光発電を設置している場合は全額助成(上限100万円)に跳ね上がります。
「EV+太陽光+V2H」が揃うと助成率が1/2から10/10になるこの仕組みは、太陽光を載せる第3の理由にもなります。
ただし注意点が2つあります。
- 二世帯住宅・共同住宅は対象外です。登記簿に専有部分の家屋番号が複数ある建物は「共同住宅」扱いになります。
- 国のCEV補助金をV2Hで受ける場合、その額は都の助成額から控除されます(「併用可」ですが単純な足し算にはなりません)。
なお、V2Hではなく普通の充電設備(充電のみ)を太陽光のある家に付ける場合は、2章で触れたとおり都の「戸建住宅向け充電設備導入促進事業」が窓口です。
参考:クール・ネット東京「家庭における太陽光発電導入促進事業(令和8年度)」/同「家庭における蓄電池導入促進事業(令和8年度)」/同「戸建住宅におけるV2H普及促進事業(令和8年度)」
4. 国の補助金の現在地|DRは終了・いま使えるのは2つ
国のDR補助金(最大60万円)は2026年5月に終了
家庭用蓄電池の代表的な国補助だったDR補助金(家庭用蓄電池等の分散型エネルギーリソース導入支援事業)は、2026年5月末に予算上限へ到達し、公募を終了しました。
実施主体のSIIは公募再開の予定はないと公表しています。
もともと令和7年度補正予算で「2026年3月24日~12月10日」の公募予定でしたが、予算の消化が早く、途中終了となった経緯があります。
このため「12月10日まで申請できる」「国+都+区で最大○○○万円」といった終了前の情報を掲載したままの記事がいまも多数残っています。2026年7月時点で、国のDR補助金は申請できません。
みらいエコ住宅2026|蓄電池単体では使えない
国の制度で蓄電池が対象になるのは、住宅省エネ2026キャンペーンの「みらいエコ住宅2026事業」です。
ただし条件があり、窓や壁など躯体の断熱改修を含むリフォームであることが要件のため、蓄電池単体の設置では使えません。
原則として2016年12月31日以前に新築された住宅が対象で、申請は登録事業者経由でのみ行えます。
断熱リフォームと一緒に蓄電池を入れる計画がある方だけ、選択肢に入れてください。
CEV補助金|V2Hは2026年9月30日(水)まで受付中
V2H充放電設備と電気自動車等を対象とするCEV補助金は継続しています。V2H充放電設備の申請は2026年7月17日から9月30日(水)17時までの受付です。
ただし前述のとおり、V2HでCEV補助金を受けると東京都のV2H助成から控除されるため、どちらをどう使うかは見積もり段階で業者に試算してもらうのが確実です。
参考:SII「家庭用蓄電池等の導入支援(DR補助金)」/住宅省エネ2026キャンペーン/次世代自動車振興センター(CEV補助金)
5. 併用ルールの実際|「単純な足し算」にならないケースがある
東京都と足立区の補助金は併用できます。
ただし、両者には「もらいすぎ」を防ぐ減額ルールがあり、設置費用が安い案件ほど、合計額が単純な足し算からズレる可能性があります。仕組みを知っておきましょう。
東京都の助成額は「2つの小さいほう」で決まる
東京都の蓄電池助成額は、次の①と②を比較して小さいほうが採用されます。
| 比較項目 | 計算方法 |
|---|---|
| ①助成対象経費 | 機器費+工事費など(税抜)から、国および他の地方公共団体からの補助金を差し引いた額 |
| ②助成額の計算値 | 蓄電容量×10万円+DR加算 |
ポイントは①の「他の地方公共団体」に足立区の補助金も含まれることです。
区の補助を受けると、都の計算上の対象経費がその分目減りします。とはいえ、足立区の上乗せは太陽光最大28.8万円・蓄電池6万円と比較的小さいため、一般的な設置価格(蓄電池12kWhで200万円台など)であれば②が採用され、実際の影響はほぼ出ません。
影響が出るのは、極端に安い価格で設置できたケースです。
たとえば5kWhの小型蓄電池を税抜48万円で設置できた場合。
①対象経費は48万円から区の補助6万円(区内業者の場合)を引いた42万円、②計算値は5kWh×10万円=50万円。
小さいほうの①が採用され、都の助成は42万円になります。
単純計算より8万円目減りする、というイメージです。
足立区側にも減額ルールがある
足立区側にも「他団体の補助金と区の補助金の合計額が補助対象経費を上回る場合は、上回った金額を区の補助金額から減額する」というルールがあります。
また、申請書類の「対象機器等の概要書」には他団体の補助金の申請状況を記載する欄があり、正しく記載しなかった場合は交付決定取消の可能性があると区は注意喚起しています。都の助成と併用する方は、必ず正直に記載してください。
足立区は後払い方式のため、実務上の流れは「都の手続きが先・区の申請が後」。国や都への申請手続きには3か月程度かかる場合があるため、区の第4期(2027年2月26日締切)ギリギリの計画は避けるのが賢明です。
6. 申請の順番|「都は工事前・区は工事後」を間違えない
足立区で補助金を最大限使うための手順は、次の4ステップに整理できます。
- 東京都へ事前申込(工事前・原則契約前):太陽光・蓄電池・V2Hそれぞれ、クール・ネット東京へ事前申込を行います。このタイミングで「区内業者の増額対象になる契約かどうか」も業者に確認しておきましょう。
- 工事・支払いを完了:施工と支払いの両方を終わらせます。足立区への申請期限は「支払完了日から12か月以内」です。
- 東京都へ交付申請兼実績報告:工事完了後に提出します。令和8年度に事前申込した分からは、実績報告時に金融機関発行の口座確認書類等の提出が必須になりました。
- 足立区へ交付申請(施工・支払完了後):受付期間内に、環境政策課へ郵送または窓口で申請します。他団体の補助金の申請状況も概要書に正しく記載します。
それぞれの期限を一覧にまとめます。
| 手続き | 期限・期間 |
|---|---|
| 都・事前申込(太陽光/蓄電池/V2H) | 受付中(有効期限は受付日から1年) |
| 区・第2期受付 | 2026年7月1日(水)〜9月30日(水) |
| 区・第3期受付 | 2026年10月1日(木)〜12月28日(月) |
| 区・第4期受付 | 2027年1月4日(月)〜2月26日(金) |
| 区・申請期限の原則 | 支払完了日(ローンはローン契約日)から12か月以内 |
窓口・書類まわりの実務メモ
足立区への申請は、環境部環境政策課管理係(区役所南館11階)への持参または郵送です。実務で役立つ細かいルールをまとめておきます。
- 提出書類には、申請書・対象機器等の概要書のほか、契約書や領収書の写し、機器の認証・SII登録が分かる書類、設置状況・型番が確認できるカラー写真などが必要です。区のチェックリストで確認しながら揃えましょう。
- 申請書類は鉛筆・消えるボールペン不可。書類に不備があり、連絡がつかない・おおむね2週間以上提出がない場合は、申請書一式が返却されることがあります。
- 申請書の提出を業者に依頼した場合、書類に関する区からの連絡は原則その業者宛てになります。進捗は業者と共有しておきましょう。
- 虚偽申請が判明した場合は交付決定取消の可能性があります。手続代行者・施工業者が不正を行った場合、事業者名の公表等の措置もあり得ると区は明記しています。
- 郵送先:〒120-8510 足立区中央本町一丁目17番1号 環境部環境政策課管理係(郵便の遅延・不着の責任は負わないと案内されているため、余裕を持った投函を)。
7. 業者に聞くべき3項目|足立区で失敗しない業者選び
ここまで見てきたとおり、足立区の補助金活用は「順番」と「機器の登録」、そして「区内業者かどうか」で決まります。
つまり業者選びの段階で、次の3項目を確認できるかどうかが分かれ目です。
| 業者に聞くこと | なぜ重要か |
|---|---|
| ①「東京都の事前申込を出してから契約・着工する段取りにできますか?」 | 都の助成は工事前(原則契約前)の事前申込が必須。順番を外すと最大180万円分(太陽光+蓄電池)を受け取れなくなります |
| ②「提案機器はSII登録製品・JET/IEC認証品ですか?」 | 都・区とも蓄電池はSII登録機器が要件。区の太陽光はJETまたはIECEE-PV-FCS認証かつ余剰配線であることが要件です |
| ③「この契約は足立区の区内事業者の増額対象になりますか?」 | 契約書の事業者住所が足立区内なら、太陽光7.2万円/kW・蓄電池6万円に増額。太陽光+蓄電池で最大5.8万円の差がつきます |
この3つに具体的に答えられる業者は、東京都と足立区の制度を日常的に扱っている業者です。
逆に回答があいまいな場合は、補助金の実務経験が少ない可能性があります。
なお、足立区は施工業者の紹介やあっ旋を行っていません(そらつな店は「紹介制度」であり、区が特定の契約を保証するものではありません)。太陽光パネルの設置は屋根の荷重や耐震性に影響する場合があるため、区も施工業者への事前相談を促しています。
マイリフォでは、対応エリアや設備の種類から業者を絞り込める検索フォームを用意しています。足立区対応の業者を探す入口としてご活用ください。
足立区に本社・拠点を置く業者もチェック
「区内業者なら増額」の足立区では、区内に本社・拠点を置く業者の存在価値が他区より一段高くなります。マイリフォの業者データベースには、次の3社が登録されています。
ファミリー工房とエネアイの2社は、2章で紹介した区の「そらつな店」にも掲載されている足立区本社の事業者です。区公認の紹介制度と第三者の口コミ評価、両方の視点から検討できます。
東京都全域で補助金申請のサポート実績が多い業者から相見積もりを始めたい方は、次の3社が候補になります。
8. モデルケースで試算|足立区でいくら戻る?
実際の受給イメージを3つのモデルケースで試算します。
いずれも税抜価格・2026年7月時点の制度にもとづく概算で、機器・工事内容・併用時の減額ルールにより変動します。
ケースA:太陽光5kW+蓄電池12kWhを区内業者で同時設置(設置費380万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 東京都:太陽光(5kW×12万円) | 60万円 |
| 東京都:蓄電池(12kWh×10万円) | 120万円(上限) |
| 足立区:太陽光(5kW×7.2万円→上限適用) | 28.8万円 |
| 足立区:蓄電池(区内業者・定額) | 6万円 |
| 補助金合計 | 214.8万円 |
| 実質負担(380万円-214.8万円) | 165.2万円 |
設置費用の半分以上が補助金でまかなえる計算です。同じ内容を区外業者と契約した場合の合計は209万円(区の上乗せが太陽光24万円+蓄電池5万円)で、区内業者との差は5.8万円になります。
DR実証に参加すれば、ここからさらに10万円(エネマネ・IoT機器を設置する場合は15万円)が上乗せされます。
ケースB:太陽光設置済みの家に蓄電池10kWhを追加(設置費200万円・区内業者)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 東京都:蓄電池(10kWh×10万円) | 100万円 |
| 足立区:蓄電池(区内業者・定額) | 6万円 |
| 補助金合計 | 106万円 |
| 実質負担(200万円-106万円) | 94万円 |
足立区の蓄電池補助は太陽光との連携が要件ではないため、後付けでも問題なく対象です。ただし東京都の助成は「太陽光の設置」または「再エネ電力メニューの契約」等が要件のため、既設太陽光の有無で都の可否が決まります。
ケースC:太陽光4kW+V2Hを区内業者で導入・EV所有(設置費240万円)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 東京都:太陽光(4kW×12万円) | 48万円 |
| 足立区:太陽光(4kW×7.2万円=上限) | 28.8万円 |
| 東京都:V2H(EV所有+太陽光設置で全額・上限適用) | 100万円 |
| 補助金合計 | 176.8万円 |
| 実質負担(240万円-176.8万円) | 63.2万円 |
EVをすでにお持ちなら、V2Hの全額助成(上限100万円)が使える分、費用対効果が一気に高まります。V2Hは足立区の補助メニューにないため、都の助成のみで計算しています。
ただしCEV補助金をV2Hで併用する場合は都の助成から控除される点、二世帯住宅は対象外の点にご注意ください。
補助金の金額は制度で決まっていますが、設置価格は業者によって差が出ます。相見積もりで設置価格そのものを抑えることが、補助金活用と同じくらい実質負担を左右します。
9. 足立区の補助金に関するよくある質問
10. まとめ|「区内業者なら増額」を知っているかどうかで差がつく区
- 足立区は太陽光最大28.8万円・蓄電池最大6万円の区独自補助がある「上乗せあり型」の区
- 区内業者と契約すると補助単価が増額される、全国でも珍しい仕組み(判定は契約書の事業者住所)
- 東京都と組み合わせると、太陽光5kW+蓄電池12kWhのモデルで合計214.8万円(区内業者の場合)
- 申請の鉄則は「都は工事前・区は工事後」。都の事前申込を出す前に契約・着工しない
- 区は後払い・先着・4期制で「各期数日で終了する場合も」。国のDR補助金は終了済みで、古い合算記事に注意
足立区の補助金は、金額こそ東京都が主役ですが、「区内業者なら増額」という独自ルールと「後払い・先着・4期制」のリズムを理解しているかどうかで、受け取れる金額もスムーズさも変わります。特に、都の事前申込より先に契約してしまう順番ミスは取り返しがつきません。
制度の確認と並行して、複数の業者から見積もりを取り、7章の3項目を確認しながら比較を進めてください。補助金と相見積もりの両輪が揃ったとき、実質負担は最も小さくなります。

太陽光発電アドバイザーより
足立区の「区内業者なら増額」は、金額の差だけでなく、地元で長く商売をしている業者と出会うきっかけとしてよくできた仕組みだと感じます。区が「そらつな店」として区内の取扱店を公開しているのも、他区にはない安心材料です。
一方で、東京都の事前申込を出す前に契約してしまう順番ミスだけは、後から取り返せません。見積もりの席で「都の事前申込はいつ出しますか?」「この契約は区内事業者の増額対象ですか?」の2つを聞くこと。この一言が、最大214.8万円を守る一番の保険になります。
なお、太陽光・蓄電池は高額な買い物のため、契約前には複数社で相見積もりを取り、提案内容を比較して納得した上で決めることをおすすめします。
編集長 田中

