
最近、エアコンの効きが悪くて、なんだかカビ臭いんです…。業者に頼むと高いから自分で掃除しようと思ったんですが、ネットを見ると「スプレーは危険」「故障した」みたいな話もあって、もう何が本当なのか分からなくなってしまって。



わかるわ、その気持ち!私も最初は情報が多すぎて混乱したわ。でも大丈夫、今日はこの道15年のプロ、黒木さんも一緒だから。ね?



はい、お任せください。この記事では、ご家庭で安全にできる掃除方法から、プロの視点で見た注意点、そして白石さんのような経験者が語る「プロに頼む本当の価値」まで、僕たちの会話を通じて正直にお伝えします。読み終える頃には、あなたにとっての「賢い選択」がきっと見つかりますよ。


1. エアコンクリーニングを自分でやる簡単な方法


「エアコンクリーニングを自分でやってみたい!」そう思っている方のために、まずはご家庭で安全に、そして簡単に行える掃除方法を解説します。
結論として、自分で掃除できる範囲はフィルターや見える部分に限られますが、これだけでもエアコンの効きはかなり改善されます。なぜなら、エアコンの不調の多くは、空気の通り道であるフィルターのホコリ詰まりが原因だからです。
例えば、2週間に1度のフィルター掃除を習慣にするだけで、冷暖房の効率が上がり、電気代の節約にも繋がります。ここでは、プロも実践している掃除のコツをご紹介しますので、ぜひ試してみてください。



最近、エアコンの風が弱くて、電気代も上がった気がするんです。やっぱりホコリが原因でしょうか…。自分で掃除したいんですけど、何から手をつけていいか…。



相田さん、そのお悩み、非常に多いですよ。ご安心ください。ご家庭でできる範囲の掃除でも、エアコンの効きは見違えることがあります。まずは、誰でも簡単にできるフィルター掃除から始めてみましょう。ポイントさえ押さえれば、驚くほど空気が変わりますよ。



わかる!私も最初は自分でやってた!週末に30分くらいでできるし、フィルターのホコリがごっそり取れると「やった!」って感じがして、ちょっとした達成感があるんだよね。
1-1. 掃除の前に!100均やダイソーで揃う道具


本格的な掃除と聞くと、特別な道具が必要だと身構えてしまうかもしれません。しかし、ご家庭でできる範囲のエアコン掃除なら、特別な道具は不要です。
結論から言うと、必要な道具のほとんどはご家庭にあるものか、100均やダイソーなどのショップで手軽に揃えられます。なぜなら、強力な洗剤や機械は、使い方を間違えると故障の原因になるため、プロ以外は使うべきではないからです。
具体的に必要な道具は以下の通りです。
- 掃除機(ブラシノズルがあれば便利): フィルターや本体のホコリを吸い取ります。
- 柔らかいブラシ(古歯ブラシでOK): 細かい部分の汚れをかき出します。
- キレイなタオルや雑巾(2〜3枚): 水拭き用と乾拭き用に分けます。
- 台所用中性洗剤: フィルターの油汚れがひどい場合に使います。オキシクリーンなども中性洗剤の一種ですが、まずは台所用で十分です。
- ゴム手袋、マスク: 手荒れやホコリの吸い込みを防ぎます。
- お掃除棒(割り箸+キッチンペーパー+輪ゴム): 手の届かない吹き出し口の掃除に活躍します。
- 養生用のシートや新聞紙: 床の汚れを防ぎます。マスカーテープがあると壁の養生も簡単です。
- 噴霧器(任意): もしご家庭にあれば、フィルターを水洗いする際に便利ですが、基本的にはシャワーで代用できます。
これらの安全な道具を使うことが、エアコンを傷つけずに掃除するための第一歩です。高価なクリーニングセットを買う必要は全くありません。
1-2. 基本のやり方!フィルター掃除の簡単手順


エアコン掃除の基本であり、最も効果を実感しやすいのがフィルター掃除です。月に2回、この手順で掃除するだけで、エアコンは快適な状態を保てます。
ポイントは、「ホコリは掃除機で表面から吸い、水洗いは裏面から」です。これを守るだけで、フィルターの目にホコリが詰まるのを防ぎ、効率的に汚れを除去できます。
【フィルター掃除の簡単6ステップ】
安全のため、作業前には必ずエアコン本体の電源を切り、コンセントから電源プラグを抜いてください 。コンセントが見当たらない場合は、ご家庭のブレーカーを落としましょう 。これは、掃除中の誤作動によるケガや故障を防ぐための絶対的なルールです。
前面パネルを開けたら、いきなりフィルターを外さないでください 。まず、フィルターが付いたままの状態で、周りのホコリを掃除機で優しく吸い取ります 。こうすることで、フィルターを外した時の衝撃でホコリが部屋に舞い散るのを防げます。
ゆっくりとフィルターを外したら、改めてホコリが付いている「表側」から掃除機をかけます 。裏側から吸うと、ホコリがフィルターの目に押し込まれてしまうので注意しましょう 。
キッチン近くのエアコンで油汚れがひどい場合は、薄めた台所用中性洗剤と古歯ブラシで優しくこすり洗いしてください。
掃除機で取りきれなかった細かいホコリや汚れを、シャワーで洗い流します。この時、掃除機とは逆に「裏側」からシャワーを当てるのがプロの技です 。水の力で、目に詰まったホコリを効率的に押し出せます 。
洗い終わったフィルターは、乾いたキレイなタオル2枚で挟むように「ポンポン」と優しく叩き、水分を吸い取ります 。その後、直射日光を避けて陰干しし、完全に乾燥させることが重要です 。濡れたまま取り付けると、新たなカビ繁殖の原因になります。
完全に乾いたことを確認したら、フィルターを元の位置にセットし、パネルを「カチッ」と音がするまでしっかり閉めて完了です。



この一連の方法を実践するだけで、エアコンから出てくる空気が驚くほど清潔になりますよ。
1-3. 内部のカビや黒いカスを掃除する方法


フィルターを掃除しても、吹き出し口からのぞくと見える黒い点々…。この正体は、多くの場合「黒カビ」です。
結論として、この黒いカスやカビも、自分で安全に除去できるのは「目に見えて、手の届く範囲」だけです。なぜなら、エアコン内部は構造が複雑で、奥には濡らしてはいけない電装部品が多数存在するからです



吹き出し口の黒いポツポツ、うちのエアコンにもあります!これ、やっぱりカビなんですね…。咳の原因かもしれないと思うと、ぞっとします。



そうですね、その黒いカスの正体は、ホコリを栄養にして繁殖したカビです



これが風に乗って部屋中に広がると、アレルギーや喘息の原因になる可能性があります 。ただ、ご安心ください。見える範囲のカビなら、ご家庭にあるもので安全に除去する方法があります。
【見える範囲のカビ・黒カス除去の手順】
フィルター掃除と同様、必ず電源をオフにし、コンセントを抜いてから作業を始めてください。
割り箸にキッチンペーパーを巻きつけ、輪ゴムで固定した「お掃除棒」を作ります 。これが、手の届きにくい吹き出し口内部の掃除に非常に役立ちます。
お掃除棒に、水で薄めた中性洗剤を少量つけて固く絞ります。水滴が垂れると故障の原因になるので、あくまで湿らせる程度にしてください。
そのお掃除棒で、吹き出し口やルーバー(風向板)の黒いカスを優しく拭き取っていきます。奥にある送風ファンを傷つけないよう、決して無理に押し込まないでください。
汚れが取れたら、次はお掃除棒のキッチンペーパーを新しいものに替え、水だけで濡らして固く絞り、洗剤成分を拭き取ります。
最後に、30分〜1時間ほど「送風運転」をして、内部をしっかり乾燥させれば完了です。



この方法で、目に見える範囲のカビや汚れはかなりキレイになります。ただし、これはあくまで対症療法。ニオイが取れない場合は、この奥の見えない部分にカビの根源が残っている可能性が高いです。
1-4. 見える範囲のファンとフィンを掃除する


吹き出し口の奥を覗くと、回転する筒状の「送風ファン(シロッコファン)」と、金属の板が並んだ「熱交換器(アルミフィン)」が見えます。
ここもホコリとカビの温床ですが、自分で安全に手入れできるのは、「表面を軽く拭う」程度までです。これらの部品は非常にデリケートで、少しの力で変形したり、破損したりする恐れがあるからです。
【ファン・フィンの表面掃除】
繰り返しになりますが、安全の基本です。必ず実行してください。
フィルターを外した状態で、ハンディモップや掃除機のブラシノズルを使い、フィンの表面や、手の届く範囲のファンのホコリを優しくなでるように取り除きます。
フィンは非常に薄い金属でできているため、歯ブラシなどで強くこすると簡単に曲がってしまい、性能低下や故障の原因になります。絶対に力を入れないでください。



フィンはエアコンの心臓部とも言える熱交換器の一部です。この薄い金属の板の間を空気が通ることで、冷えたり温まったりします。このフィンが曲がったり、ホコリで目詰まりしたりすると、一気に冷暖房の効率が落ちてしまうんです。



わかる!前に自分でやろうとして、ちょっと力を入れたらフィンが「グニャッ」ってなって、めちゃくちゃ焦ったことがある!幸い大事には至らなかったけど、それ以来、フィンの掃除はプロにお願いしようって心に決めたわ。
自分でできるのは、あくまで表面のホコリをそっと取り除くことだけ、と覚えておいてください。本格的なファンの洗浄やフィン内部の汚れ除去は、プロの領域です。
2. エアコンクリーニングを自分でやる際の注意点


ここまでご家庭でできる簡単な掃除方法をご紹介しましたが、ここからは「絶対にやってはいけないこと」を解説します。結論として、「無理な分解」「洗浄スプレーの安易な使用」「家庭用高圧洗浄機の使用」は、エアコンの寿命を縮めるだけでなく、火災や水漏れといった重大な事故につながる恐れがあるため、絶対に避けるべきです。
良かれと思ってやったことが、数万円の修理費や、買い替えという最悪の結果を招く可能性があるのです。
2-1. 故障リスク大!分解は絶対にNG


「もっと奥までキレイにしたい」という気持ちから、カバーを外し、部品の分解を試みようとする方がいます。しかし、これは最も危険な行為の一つです。
専門知識のないままエアコンを分解してしまうと、パーツを破損させたり、元に戻せなくなったりする可能性が非常に高いです。特に、近年のエアコンは構造が複雑化しており、内部には無数の配線やセンサーが張り巡らされています。
【自分で分解した場合に起こりうること】
- 部品の破損: プラスチックのツメを折ってしまい、パネルが閉まらなくなる。
- 配線の断線: 無理に部品を外そうとして、内部の配線を切ってしまう。
- 元に戻せない: 分解はできたものの、正しい手順で組み立てられず、動かなくなる。
- 保証の対象外: ユーザー自身による分解が原因の故障は、メーカー保証の対象外となる場合がほとんどです。



YouTubeなどの動画サイトで分解方法を紹介しているものもありますが、あれはあくまで専門家がやっていることです。同じようにやろうとしても、工具の違いや些細な力加減で、簡単に部品は壊れてしまいます。一度壊してしまうと、修理費用はクリーニング代よりずっと高くつきますよ。
簡単なフィルターやパネルの取り外し以外、ご家庭での分解は絶対にやめましょう。
2-2. 洗浄スプレーは使ってはダメ?洗剤の選び方


ホームセンターやドラッグストアで手軽に手に入るエアコン洗浄スプレー。「これを使えば内部までキレイになるのでは?」と期待してしまいますが、多くの専門家やエアコンメーカーは、その使用に警鐘を鳴らしています。
結論として、市販のエアコン洗浄スプレーの安易な使用は、カビを悪化させ、故障や火災のリスクを高めるため、推奨できません 。
【洗浄スプレーが危険な理由】
- 火災のリスク: スプレーの洗浄液が、内部の電装部品にかかると、ホコリを介して電気が流れショートする「トラッキング現象」を引き起こし、最悪の場合、発煙・発火につながる恐れがあります [cite: 3, 4, 12]。経済産業省や消防庁も、この危険性について繰り返し注意喚起しています。
- カビ・ニオイの悪化: 市販のスプレーでは、内部の汚れを完全に洗い流すことはできません。中途半端に残った洗浄液と汚れが混ざり合うことで、かえってカビや雑菌の新たな栄養源となり、以前よりニオイがひどくなるケースがあります。
- 水漏れ・故障の原因: 洗い流しきれなかった汚れが、結露水を排出するドレンホースを詰まらせ、室内機からの水漏れを引き起こすことがあります。また、スプレーの成分が内部のコーティングを剥がしたり、部品を腐食させたりして、故障の原因となる可能性も指摘されています。



えっ、火事になることもあるんですか!?手軽で便利そうだと思って、危うく買うところでした…。



はい、実際に洗浄スプレーが原因とみられる火災事故は毎年報告されています。メーカーとしても、市販されているすべてのスプレーの影響を確認できないため、使用を推奨していないのが実情です



そうなのよ!友達が安いからってスプレー使ったら、なんか酸っぱいニオイがするようになって、結局業者を呼んでたわ。「最初から頼めばよかった」って後悔してた。
洗剤を使う場合は、フィルター掃除でご紹介した「台所用中性洗剤」を薄めて使うのが最も安全です。アルカリ性や酸性の強い洗剤は、部品を傷める原因になるので避けましょう。
2-3. 高圧洗浄!ケルヒャーやスチームは危険?


プロのクリーニング映像を見ると、高圧洗浄機で豪快に汚れを洗い流しているシーンがあります。「家庭用のケルヒャーやスチームクリーナーでも同じことができるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、これも非常に危険な行為です。結論として、家庭用の高圧洗浄機やスチームクリーナーを使ったエアコン洗浄は、プロの技術と知識がなければ、ほぼ確実にエアコンを故障させます 。
【家庭用高圧洗浄機が危険な理由】
- 水圧が強すぎる: プロが使うのは、エアコン洗浄に特化した、水圧を精密にコントロールできる専用機材です。家庭用のケルヒャーなどは水圧が強すぎ、デリケートなフィンを簡単に曲げたり、部品を破損させたりします。
- 水の管理ができない: プロは電装部品を完璧に養生(保護)し、水の流れを計算して洗浄します。素人が同じことをやろうとすると、電装部分に水がかかり一発でショートします。また、汚水が部屋中に飛び散り、壁や家具を汚してしまうでしょう。
- スチームの熱: スチームクリーナーの高温蒸気は、プラスチック部品を変形させたり、センサーを狂わせたりする原因になります。



我々プロが使う高圧洗浄機は、圧力を最大でも3.5MPa程度に調整して使います。家庭用のものは、それ以上の圧力が出るものが多く、全くの別物です。理屈は同じでも、同じ道具ではない、と考えてください。
パワフルな道具は魅力的ですが、エアコン掃除においてはそのパワーが仇となります。高圧洗浄は、専門の道具と技術を持つプロに任せるのが賢明です。
2-4. 賃貸物件のエアコン掃除で気をつけること


賃貸マンションやアパートにお住まいの場合、エアコンは大家さんの所有物(残置物)であることがほとんどです。この場合、自分でクリーニングを行う際には、特に注意が必要です。
結論として、賃貸物件のエアコンを自分で掃除して故障させた場合、修理費用を請求される可能性があります。そのため、作業前には必ず管理会社や大家さんに確認を取ることをお勧めします。
【賃貸物件での注意点】
- 所有者の確認: まず、エアコンが備え付けの設備なのか、前の入居者が残していった「残置物」なのかを契約書で確認しましょう。
- 許可の取得: 内部の洗浄など、フィルター掃除以上のことを行う場合は、事前に「自分でクリーニングしても良いか」を大家さんや管理会社に確認するのがマナーであり、トラブル回避の鉄則です。
- プロに依頼する場合も一報を: 専門業者に依頼する場合でも、事前に連絡を入れておくとスムーズです。クリーニング費用を誰が負担するか(基本的には入居者負担が多い)も、この時に確認しておきましょう。



万が一、自分で掃除して故障させてしまった場合、修理費用は自己負担となります。リスクを考えると、賃貸物件こそ、損害賠償保険に加入しているプロの業者に依頼するのが最も安心な方法と言えるでしょう。
3. 自分でやる?メーカー別エアコンクリーニング
「うちのエアコン、お掃除機能付きだから掃除は不要だよね?」「このメーカーのエアコンって、何か特別な注意点はある?」こうした疑問を持つ方も多いでしょう。
ここでは、主要メーカー別の特徴と、特に注意が必要な「お掃除機能付きエアコン」の掃除方法について解説します。結論として、どのメーカーのエアコンであっても、自分で安全にできる掃除範囲は基本的に同じですが、機種ごとの特性を知っておくと、よりスムーズに手入れができます。
3-1. ダイキン・富士通(ノクリア)製の掃除法
空調専門メーカーであるダイキンや、独自の機能で人気の富士通(ノクリアシリーズ)。これらのメーカーのエアコンも、基本的な掃除方法はこれまでご紹介した通りです。
ダイキンは「ストリーマ内部クリーン」など、エアコン内部を乾燥させ、カビの発生を抑制する機能が充実している機種が多いのが特徴です。しかし、この機能はあくまでカビの「繁殖を抑制する」ものであり、付着してしまったホコリやカビを「除去する」ものではありません。そのため、定期的なフィルター掃除は必要不可欠です。
富士通のノクリアシリーズは、フィルター自動おそうじ機能の先駆けとしても知られています。お掃除機能付きモデルの場合、ダストボックスの掃除が重要になります(詳しくは後述)。
3-2. 三菱(霧ヶ峰)・パナソニック製の注意点
三菱の「霧ヶ峰」シリーズや、パナソニックの「エオリア」シリーズも非常に人気のあるエアコンです。これらのメーカーの取扱説明書でも、ユーザー自身が行う手入れはフィルターやパネルの拭き掃除などに限定されており、内部洗浄はプロへの依頼を推奨しています。
特に三菱電機は、公式サイトで「エアコン掃除スプレーの使用は禁止しています」と明記しており、除菌・消臭スプレーの使用についても、成分が残ると腐食の原因になる可能性があるため、注意を促しています。
パナソニックのモデルも、内部クリーン機能が搭載されているものが多いですが、ダイキン同様、定期的な手入れが清潔を保つカギとなります。
3-3. 日立(白くまくん)・シャープ製の特徴
日立の「白くまくん」シリーズや、シャープのプラズマクラスター搭載エアコンも、基本的な考え方は同じです。
白くまくんシリーズは、内部の汚れを凍らせて洗い流す「凍結洗浄」というユニークな機能を搭載したモデルがあります。これも非常に効果的な機能ですが、完璧ではありません。やはり、空気の入口であるフィルターのこまめな掃除が、エアコン全体の清潔さを保つ上で最も重要です。
シャープ製のエアコンも、フィルターや本体パネルの清掃が基本となります。どのメーカーのエアコンでも、取扱説明書には必ず手入れの方法が記載されていますので、一度目を通しておくことをお勧めします。
3-4. お掃除機能付きエアコンの掃除は特に注意



うちのエアコン、「フィルター自動おそうじ機能」が付いてるんです。これなら、フィルター掃除も要らないんですよね?すごく楽で…。
黒木:相田さん、それは多くの方が誤解されている、非常に重要なポイントです!結論から言うと、お掃除機能付きエアコンも、定期的な掃除は絶対に必要です。



そうなのよ!「自動」って言葉に安心してると、数年後に大変なことになるの!
「フィルター自動おそうじ機能」は、フィルターに付着したホコリをブラシでかき取り、「ダストボックス」と呼ばれる小さな箱に溜める機能です。つまり、溜まったホコリを自分で捨てなければ、結局はホコリがエアコン内部に溢れてしまうのです。
さらに、お掃除機能付きエアコンは、内部構造が通常のタイプより格段に複雑です。電装部品が多く、自分で分解しようものなら、ほぼ100%元に戻せなくなります。
【お掃除機能付きエアコンの手入れポイント】
- ダストボックスのホコリを捨てる: 半年〜1年に1回は、ダストボックスを取り外して、溜まったホコリを掃除機で吸い取るか、ゴミ箱に捨ててください。
- 油汚れは掃除できない: キッチンの近くなど、油分を含んだ空気を吸う環境では、油でベトベトになったホコリは自動おそうじ機能では取り除けません。この場合は、フィルターを取り外して中性洗剤で洗う必要があります。
- 内部は掃除してくれない: 自動おそうじ機能が掃除するのは、あくまでフィルターだけです。内部の熱交換器や送風ファンに付着したカビや汚れは、そのまま蓄積していきます。
お掃除機能付きエアコンは、フィルター掃除の手間を少しだけ減らしてくれる便利な機能ですが、「手入れが全く不要になる魔法の機能」ではないのです。むしろ、内部が汚れた際のプロによるクリーニング料金は、構造が複雑な分、通常のタイプより1.5倍〜2倍ほど高くなる傾向があります。この点を理解しておくことが非常に重要です。
4. 自分でやるのが不安な人のエアコンクリーニング
ここまで読んで、「自分でやるのは、思ったより大変そう…」「リスクを考えると、ちょっと怖いな」と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
その感覚は、とても正しいです。
結論として、エアコンの真の清潔さと家族の健康、そして何より安全を考えるなら、内部のクリーニングは専門のプロに依頼するのが、最も賢明でコストパフォーマンスの高い選択です。なぜなら、プロの技術は、私たちが家庭でできる掃除とは、次元が全く異なるからです。
4-1. プロの業者はここが違う!専用道具と技術
プロのエアコンクリーニングは、単なる「掃除」ではありません。専門知識と専用機材を駆使した「分解洗浄」という技術サービスです。ダスキンなどの大手から地域の専門業者まで、基本的な流れは共通しています。
【プロの基本的な作業手順】
まずエアコンが正常に動くかを確認後、洗浄液や汚水が飛び散らないよう、エアコン周辺の壁や家具、床を専用のビニールシート(ホッパー)で完璧に保護(養生)します。
本体カバーやルーバー、フィルターなど、洗浄の妨げになる部品を、構造を熟知したスタッフが丁寧に分解していきます。
専用の洗剤を内部の熱交換器や送風ファンに噴霧し、汚れを浮かせた後、エアコン専用の高圧洗浄機で、大量の水を使って一気に洗い流します。
分解したパーツも一つひとつ丁寧に洗浄し、元通りに組み立てていきます。
再び正常に動作するかを確認し、作業完了となります。



黒木:我々プロが使う道具は、すべてエアコンを傷つけず、かつ効果を最大化するために作られた専用品です。
例えば高圧洗浄機は、フィンを傷めない最適な水圧に調整されていますし、エコ洗剤など、人体や環境に配慮した除菌効果の高い洗浄剤を使用します。
こうした技術と道具があるからこそ、ご家庭では決して手の届かない内部の汚れを根こそぎ除去できるのです。
4-2. ブログやYoutube動画で見る比較
「本当にそんなに違うの?」と疑問に思う方は、ぜひ一度、ブログやYouTubeで「エアコンクリーニング ビフォーアフター」といったキーワードで検索してみてください。
そこには、一見キレイに見えたエアコンから、衝撃的なほど真っ黒な汚水が流れ出てくる動画や写真が数多く投稿されています。この黒い水の正体こそ、これまでエアコン内部に蓄積され、部屋の空気に混じって浮遊していたカビやホコリ、雑菌の塊なのです。



私、初めて業者さんに来てもらった時、その黒い水を見て本当にびっくりした!「こんな空気を吸ってたんだ…」って。
クリーニングが終わった後、エアコンをつけた時の風が、もう全然違うの。無臭で、澄んでて、深呼吸したくなるくらい。娘の咳も、そういえば最近減った気がするし。あんなに悩んでたのが嘘みたいよ。
多くのブログで、クリーニング後の空気の違いや、長年悩みだったニオイが消えた感動が語られています。こうした個人の体験談は、何より雄弁にプロのクリーニングの効果を物語っています。
4-3. こんなに違う!汚れた水で効果を実感
プロのクリーニングのハイライトは、洗浄中に出てくる「汚れた水」です。バケツに溜まっていく真っ黒な液体は、DIYでは決して取り除くことのできない、エアコン内部の汚れそのものです。



写真や動画で見たことはありますけど、本当にあんなに黒くなるものなんですね…。



はい。特にリビングやキッチンに設置されたエアコンは、油煙や生活ホコリを吸い込んでいるため、想像以上に汚れています。3年以上クリーニングをしていないエアコンだと、ほとんどの場合、墨汁のような汚水が出てきますね。
お客様にその水をお見せすると、皆さん一様に驚かれます。そして、クリーニング後のキレイな空気との違いを実感して、非常に満足していただけます。
この「汚れた水」は、プロに頼む価値を最も分かりやすく可視化したものと言えるでしょう。数年分の汚れが排出される様子を見ることで、支払う価格以上の価値を実感できるはずです。
4-4. おすすめのエアコンクリーニング業者を紹介
「プロに頼むのが良いのは分かったけど、じゃあどこに頼めばいいの?」という次の疑問が湧いてきますよね。
業者選びで失敗しないためのポイントは、「料金の明確さ」「損害賠償保険への加入」「実績と口コミ」の3つです。
これらの基準を満たし、安心して依頼できるおすすめの業者として、まず名前が挙がるのが「おそうじ本舗」です。全国展開しており、技術力も安定しています。また、「くらしのマーケット」のようなサイトを使えば、地域の優良な個人業者を、料金や口コミで比較しながら自分で選ぶことができます。
【おすすめの依頼先】
- 三菱電機のくらトク: 50年以上エアコンを作り続けてきたメーカーとしての知見を基に、エアコンの本体やコーティングにも配慮した丁寧なクリーニングを行います。
- 東京ガス: エアコン内部のカビやハウスダストを徹底洗浄し、ニオイやアレルギーの原因を除去。養生や拭き上げも丁寧に対応します。
- ユアマイスター: 累計16万件以上の実績!「おまかせマイスター」は簡単注文・お手頃価格・品質管理・安心補償がそろった、ユアマイスター公式サービスです。
- ベアーズ:創業20年の実績を誇る。高品質で丁寧な対応にこだわり、気持ちよくご利用いただけるサービスを提供しています。「口コミランキング」や「サービス品質が高いと思うサービス」などで5冠を達成!
- おそうじ本舗:オリコン顧客満足度調査・ハウスクリーニング部門で5年連続第1位!お客様の声に支えられて成長した信頼のブランドです。業界トップクラスの研修を受けたスタッフが、丁寧かつスピーディーに対応。コストパフォーマンスにも自信あり!
まずはこれらの公式サイトを訪れ、ご自宅のエアコンのタイプ(お掃除機能付きかどうか)を選んで、料金を確認してみてください。多くの場合、Webから無料で見積もりや予約の空き状況の確認ができます。
5. エアコンクリーニング自分でやるQ&A
ここでは、エアコンクリーニングを自分でやる際によくある質問にお答えします。長年のプロである黒木さんに、ズバリ聞いてみましょう。
結論:エアコンクリーニングを自分でする賢い選択
今回は、エアコンクリーニングを自分で行う方法と、そこに潜むリスク、そしてプロに依頼する価値について、詳しく解説してきました。
エアコンの効きが悪い、ニオイが気になる、電気代を節約したい…。そんな思いから「自分で掃除しよう」と考えるのは、非常に賢明な第一歩です。2週間に1度のフィルター掃除や、見える範囲の拭き掃除を定期的に行うこと。これだけでも、エアコンの寿命を延ばし、快適な環境を保つ上で絶大な効果があります。
しかし、その一方で、エアコン内部の洗浄には、あなたの想像以上に大きな「故障」「火災」「健康被害」のリスクが伴います。特に、安易な分解や市販の洗浄スプレーの使用は、節約どころか、数万円単位の思わぬ出費につながりかねません。
そこで、この記事が最終的に提案したい「エアコンクリーニングを自分でする賢い選択」とは、「自分でできる安全な範囲の手入れは自分でしっかり行い、手に負えない内部の分解洗浄は、その道のプロに任せる」という、賢い役割分担をすることです。
プロによる年に1度の徹底的な内部洗浄は、「出費」ではなく、家族の健康と家の安全、そして快適な毎日を守るための「投資」です。DIYで浮いた数千円とは比べ物にならない、大きな安心感が得られます。
まずは、この記事で紹介したおすすめの業者サイトで、あなたの家のエアコンクリーニングがいくらでできるのか、無料の見積もりを取ってみてください。そして、もし「他の業者ともっと比較して、じっくり選びたい」という方は、以下の記事で主要なクリーニング業者を徹底比較していますので、ぜひご覧ください。
あなたの家にとって、そしてあなた自身にとって、最も後悔のない選択ができることを願っています。
おすすめエアコンクリーニング業者ランキング10選